- 2010年2月 9日
- 国・地域:中国
- トピック:危機にある個人
譚作人は、1989年の天安門事件に関する当局の対応について、中国共産党と政府を批判する記事や日記をオンライン掲示板と海外のウェブサイトに投稿したことを理由に有罪判決を受けた。
「彼が逮捕され、不公正な裁判を受け、今回有罪判決が出たことは、いかに中国当局があいまいで過度に広範な法を根拠に、異議を唱える声を封じ込め、刑罰を与えているかということの、さらに憂慮すべき例である」と、アムネスティ・インターナショナルのアジア太平洋副部長ロジーン・ライフは述べた。
「今回の事件のように、自ら定めた法手続きをこれほど無視していながら、中国当局は人権擁護活動家たちを法律に基づいて取り扱っていると主張し続けることはできない」
判決は、この日の朝、中国成都市中等人民法院によって言い渡された。
譚作人の妻、王慶華(Wang Qingha)は有罪判決に抗議し、アムネスティにこう語った。「投獄はたとえ1日でも長すぎます。彼は表現の自由を行使し、彼の良心に基づいて政治の腐敗を追及したにすぎないのです」
8月12日の譚作人の裁判は極めて不公正であり、中国の刑事訴訟手続きを無視したものだった。彼の弁護士らは、証人を呼んで法廷で証言してもらうことも、準備したビデオ映像を見せることも、答弁書の提出も許されなかったと報告している。
弁護側証人の1人で国際的に高く評価されている芸術家の艾未未(Ai Weiwei)は、裁判が終わるまでの数時間、警察官を名乗る制服姿の者に殴打され、不法に拘禁されていた。
香港のジャーナリスト2人は、警察によって薬物の取り調べの名目でホテルの部屋に拘束され、裁判の取材を妨害された。警察は譚作人の支持者を法廷から排除し、傍聴が許されたのは彼の妻と娘たちのうち1人だけだった。残りの傍聴席は裁判所職員で占められた。この日も裁判所でこの件を取材しようとしたジャーナリストが、またもや嫌がらせを受けた。
さらに裁判所は、刑事訴訟法に反し、譚作人の弁護士への説明なしに4カ月も判決を遅らせた。
「人権擁護者を黙らせることによって、中国当局は社会における自由で透明性のある議論を禁じ、説明責任の概念をはねつけている。人権擁護活動家の処罰がさらに増えれば、正義を求める声がますます大きくなるだけだろう」とロジーン・ライフは述べた。
アムネスティ発表国際ニュース
AI Index:PRE01/039/2010
2010年2月9日
*譚作人についての詳細な情報(英語)は以下をご覧ください。
“China: Free Sichuan earthquake activists”, 11 August 2009,
http://www.amnesty.org/en/for-media/press-releases/china-free-sichuan-earthquake-activists-20090811;
“China Sichuan earthquake activists to be tried”, 4 August 2009,
http://www.amnesty.org/en/news-and-updates/news/china-sichuan-earthquake-activists-to-be-tried-20090804;
“Fear of Torture and Other Ill-Treatment: Tan Zuoren (m)”, 2 April 2009,
http://www.amnesty.org/en/library/info/ASA17/014/2009/en
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