- 2010年1月16日
- 国・地域:日本
- トピック:女性の権利
1932年から第二次大戦の終わりまでに、推定20万人の女性が強制的に性奴隷にされた。
日本軍の餌食になった女性や少女たちは、年齢、貧困、階級、家族状況、教育、国籍、民族などの理由で、最もだまされやすく、性奴隷制のわなに落とされやすかった。これらの女性たちは誘拐、集団強かん、強制中絶を含む一連の虐待を被ったが、多くの犠牲者はいまもこれらの虐待の後遺症に苦しんでいる。
1992年1月から、毎週水曜日に、韓国の日本大使館の外で「水曜デモ」が行われている。
性奴隷制のサバイバーたち、人権活動家、学生、世界中から来た人びとが毎週これらの水曜デモに参加して、連帯を表明し、正義の要求を支持してきた。
韓国のサバイバーである金学順(キム・ハクスン)さんが自身の辛い経験を公にした最初の女性だが、それに鼓舞されて、多くの他の女性たちも沈黙を破った。これらの勇気あるサバイバーたちは、正義と人権の促進のためのキャンペーンを力強く続けてきている。
サバイバーと支援者たちは世界を回って、政治家や政府、議会関係者、学生、人権活動家に語りかけてきた。今では正義を求めるサバイバーと家族、支援者たちのひとつの国際的運動となっている。
2007年来、米国、カナダ、オランダ、韓国、台湾、27各国からなる欧州議会のすべてが決議案を採択し、日本政府に対してこれらの女性たちに犯した罪と責任を認め、謝罪するようにと勧告している。
日本では、宝塚、清瀬、札幌、福岡、箕面、京田辺、小金井、三鷹、生駒、泉南、国分寺などの市議会が、日本政府にこの問題を解決するように求めている。
アムネスティ・インターナショナルは、誇りをもってこの運動の一翼を担い、日本政府に対して、「慰安婦」に正義を与え、今なお続いている人権侵害を終わらせるために直ちに行動を起こすよう要求する。
しかしながら、「慰安婦」制度のサバイバーのほとんどが今や高齢で、多くが亡くなっているために、時間がない。日本政府は直ちに行動して、苦しんでいる人たちを救済すべきである。
アムネスティ・インターナショナルは日本政府に対して以下のことを要求する。
・女性たちが苦しめられている被害を公に認め、サバイバーの尊厳を回復できる方法で、「慰安婦」制度に対する責任を完全に受け入れること。
・女性たちに犯した罪に対して、十分かつはっきりと謝罪すること。
・サバイバーと彼女たちの近親者に対して、政府から直接に十分かつ有効な補償を行うこと。
・日本の教科書の第二次大戦に関する部分に性奴隷制についての正確な記述を入れること。
補記:日本では2009年12月にさらに長岡京、舟橋、国立、田川の市議会でも意見書が採択されている。
アムネスティ発表国際ニュース
AI Index: ASA 22/001/2010
2010年1月13日
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