- 2009年12月 1日
- 国・地域:スリランカ
- トピック:難民と移民
「スリランカ当局は、約12万の人びとを自由にすると表明したことを実行に移さなければならない。それも無条件で実行すべきだ」と、アムネスティ・インターナショナルのスリランカの専門家であるヨランダ・フォスターは述べた。
「キャンプから人びとを恒久的に解放すると同時に、彼らが移住先でさらなる尋問や再逮捕の対象にならないことも保証する必要がある」
「また、スリランカ政府が避難民に対する支援を行なう責任は、彼らがどこへ行こうとも維持されることが重要である」
スリランカ政府は1日、ヴァヴニヤ(Vavuniya)の避難民キャンプに身を寄せている家族には、キャンプに留まるか、他の居住場所を探すか、あるいは故郷への帰還を試みるかのいずれかを選べるようにすると述べた。
しかしながら、アムネスティはキャンプから離れる途上の家族にも制約が課せられるとの情報を受けている。報道機関によると、一部の人びとに対してはわずか15日後にキャンプに戻ることが求められることもありえるという。
また、これまでに解放された人びとに対して支援が提供されていないことも懸念される。ある教会グループからの報告によれば、マニク農場からバスに乗せられ、マナール地区アダムパンの「道に放り出され、置き去りにされた」という人びともいる。
スリランカ政府は、帰還プロセスに関して矛盾したメッセージを送っており、移動の自由がスリランカ国内の他の地域のキャンプにも適用されるかどうかは現時点では不明である。
解放と再定住の取り組みが加速している今、アムネスティは、スリランカ当局に対し、帰還と再定住に関する情報を避難民に提供し、避難民が自発的に意思決定を行なえるようにするよう求める。
「スリランカ当局は、避難民たちに故郷の生活環境に関し注意を喚起する必要がある。避難民が自身の将来の計画を立てることができるようにするためである。当局はまた、避難民の権利、法的地位、そして家族を探す手続きに関する明確な情報を彼らに与える必要がある」と、ヨランダ・フォスターは述べた。
「人道支援団体および人権団体には、妨害されずに避難民にアクセスできるようにすべきである。これらの団体が、再定住を試みる人びとの安全と健康を監視することを認め、またさらなる人権侵害を受けないなど、彼らのニーズが満たされるようにしなければならない」
「何千もの人びとが北東部のキャンプから離れ始めているが、キャンプを開放するという約束だけでなく、キャンプ内外の国内避難民の権利の保護が実現されなければならない」
背景:
激しい戦闘を繰り広げ、何千もの民間人の死者を出した後、2009年 5月にスリランカ政府はタミール・イーラム解放の虎 (LTTE) に勝利したことを宣言した。
2009年 5月末までに、戦闘を逃れてきた30万人の避難民が軍隊の監督下にあるキャンプに収容された。
何十万人もの避難民の不法な収容に対してアムネスティ・インターナショナルは、避難民の解放と移動の自由を求める「キャンプを開放せよ」という世界的なキャンペーンを立ち上げ、これまでに4万人を超す活動家たちが行動を起こしている。
アムネスティ発表国際ニュース
2009年12月1日
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