- 2009年10月 7日
- 国・地域:イスラエル/被占領パレスチナ地域/パレスチナ
- トピック:国際人権法
今週、国連人権理事会は、2008年12月27日から2009年1月18日の間にあったガザとイスラエル南部での紛争で起きた国際法違反についてのリチャード・ゴールドストーン判事の事実調査団の報告書にある調査結果と勧告について討議するため、ジュネーブで会合をした。
ゴールドストーン報告書についての採決を2010年3月まで延期することを本日決定し、人権理事会が報告書にある勧告を実行するための手段を直ちに講じなかったことに、アムネスティは遺憾の意を表明する。この延期措置は、ガザとイスラエル南部での国際人道法および人権法違反についての説明責任と実施義務の件にしっかりと対処するという政治的意思の欠如を示している、とアムネスティは懸念している。
しかしながら、この延期措置はイスラエル政府とガザの事実上の統治者であるハマスの両者に対して、紛争中に起きた違反行為について国際基準に合った独立した調査を行なう最後の機会を与えたことになる。
本日の展開に照らして、アムネスティは国連事務総長に対し、この報告書を安保理にすみやかに付託するよう要請する。安保理は、イスラエルとハマスの両者に対し自らの調査と訴追の進捗状況について確実に報告させなければならない。重要なのは、今後6カ月間に渡りイスラエルとハマスによる内部調査と訴追を監視するための、専門家からなる独立委員会を安保理が設立しなければならないことである。
6カ月という設定期間の内に、もし、イスラエル政府とハマス政権が信頼できる調査をできない、もしくはする意思がないと分かったならば、安保理はその状況を国際刑事裁判所(ICC)検察官に付託すべきである。
国際人道法と国際人権法の違反行為についてイスラエル政府とハマス政権の両者が信頼できる調査を実行する能力と意思に関して、アムネスティは大いに懸念している。免責を阻止するためには、すべての内部調査は関連する国連機関を通じて国際社会によって詳細を監視されること、そして、もし内部手続きがうまくいかないのであれば国際的な仕組みを通して説明責任・実施義務を遂行するための具体的な措置が講じられることが肝要である。
今回アムネスティ・インターナショナルは、1949年のジュネーブ諸条約の加盟国すべてに対し、説明責任を保証するためのそれぞれの責任を引き受けなければならないことについて念を押す。アムネスティはこれらの国家に対し、ジュネーブ諸条約の重大な違反についての十分に認められる証拠があれば、国内の裁判所で刑事事件として扱うことで普遍的管轄権を行使するよう求める。
アムネスティ発表国際ニュース
2009年10月2日
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