- 2009年4月 1日
- 国・地域:ロシア連邦
- トピック:危機にある個人
「人権活動家や市民社会活動家、弁護士、ジャーナリストに対するあまりにも多くの虐待行為が罰せられないままであり、加害者は自分たちの行動はまったく責任を問われることはないと思い込んでいる」と、アムネスティの欧州・中央アジア部長ニコラ・ダックワースは述べた。
「ドミトリー・メドベージェフ大統領とロシア連邦政府は、人権擁護活動家に対し反感を持つ風潮が高まっている状況を明確に非難し、このような虐待行為は、個人的なものにせよ、あるいは政府関係者によるものにせよ容認できるものではない、というメッセージを送るべきである」
「最近起きた多くの脅迫や襲撃に関して沈黙を続けることは、これらの犯罪を容認することに等しい」
非政府組織「人権を求めて(For Human Rights)」によると、同組織の代表を務めるレフ・ポノマレフ(67歳)は、3月31日の夜更けにモスクワの自宅付近で3人の男に襲われた。彼は地面に投げとばされ、殴る蹴るの暴行を受けたという。
レフ・ポノマレフは長年にわたり、ロシア連邦で起きた様ざまな人権侵害に対し非難の声を上げてきた。最近では、石油会社ユーコスの事件についてのロシア連邦当局の取り扱いを強く批判していた。ユーコス社の元社長ミハイル・ホドルコフスキーとそのビジネスパートナーであるプラトン・レべデフの新たな裁判は、3月3日にモスクワで開始された。襲撃の直前にレフ・ポノマレフは、ユーコス社の裁判に関する政治的動機による刑事司法制度の悪用の疑いについて話し合うために、欧州評議会議員会議の報告者ザビーネ・ロイトホイサー・シュナレンベルガーと会っていた。
レフ・ポノマレフはまた、繰り返しロシア連邦の刑法制度を批判してきた。2008年6月の記者会見で、彼は流刑施設における被拘禁者に対する虐待について報告したが、その際にロシア国会議員の息がかかったと見られる若者の一団の襲撃を受けた。この若者たちは、レフ・ポノマレフとモスクワ・ヘルシンキ・グループ代表の人権擁護活動家リュドミラ・アレクセーエワに卵を投げつけた。
2008年の年末、レフ・ポノマレフは彼が監視されている可能性が高いと家族に伝えていた。
アムネスティ発表国際ニュース
2009年4月1日
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