- 2009年2月16日
- 国・地域:大韓民国
- トピック:死刑廃止
韓国は、10年間にわたる実質的な死刑執行停止状態を経て、2007年12月に事実上の死刑廃止国となった。韓国での最後の死刑執行は1997年12月31日に行なわれ、そのときは23人が執行された。
2月13日付の李明博(イ・ミョンバク)韓国大統領への公開書簡の中で、アムネスティ・インターナショナルの事務総長アイリーン・カーンは、死刑を執行することによって韓国が近年続けてきた執行停止の実績を大統領が覆すことのないよう要請した。
最近の殺人事件に対して韓国の人びとが強い関心を示していることを認識しつつ、アイリーン・カーンは次のように述べた。「私たちが死刑に反対していることは、どのような意味においても、暴力犯罪の被害者とその親しい人びとに対する同情の気持ちを軽視するものではありません」
「しかしアムネスティは、あらゆる死刑に反対します。それは、死刑が生きる権利の侵害であり、残虐で、非人道的かつ品位を傷つける究極の刑罰であると考えるからです」
与党ハンナラ党、警察庁、法務部、行政安全部などが参加した12日の協議では、現在58人いる死刑囚を処刑すべきか、また、減刑の可能性のない終身刑を導入するべきかが話し合われた。
死刑執行の再開は、人権を守るための全世界的な取り組みに反するものである。国際的な流れは、明らかに死刑廃止に向かっている。
「この5年間に、ウズベキスタン、ルワンダ、フィリピン、ギリシャ、アルバニア、メキシコ、トルコ、ブータンなどの国ぐにが法律上死刑を廃止しました」と、アイリーン・カーンは述べた。
「法律上あるいは事実上死刑を廃止した国は現在138カ国にのぼり、死刑が執行される数はどんどん少なくなっています。2007年には、死刑を執行した国はわずか24カ国でした。2008年もほぼ同様になると思われます」
「私は、死刑を避ける方向へと向かう国際的な流れを韓国政府が尊重する証しとして、死刑執行を再開しないよう要請します」
*公開書簡の全文はこちらからお読みいただけます。
アムネスティ発表国際ニュース
2009年2月16日
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