- 2009年2月 6日
- 国・地域:ロシア連邦
- トピック:国際人権法
「これらの勧告を実施すれば、表現・集会・結社の自由が制限されずに享受でき、人種差別、拷問や虐待、その他の人権侵害すべての行為に対し説明責任を持つ、成熟した市民社会を保証することになるだろう」と、アムネスティの国際組織部長マーティン・マクファーソンは語った。
2月4日に行なわれたロシアの人権状況の審査中、多くの国が、ジャーナリストのアナスタシア・バブローワと人権派弁護士スタニスラフ・マルケロフの最近の殺人に関して徹底的な捜査を行い、加害者を裁判にかけるよう要請した。各国は、外国人や民族的少数者を第一の標的とした過激主義やヘイト・クライム(憎悪犯罪)と闘うためのイニシアチブを強化する必要性を提起した。拷問や強制失踪、国際法違反の殺害を命令するなどといった行為を含む、北コーカサスにおける人権状況についての深刻な憂慮も表明された。
人権理事会作業部会で採択された報告書の85段落で述べられた勧告は、以下を含んでいる。
・ 国連拷問等禁止条約選択議定書に加入すること
・ ジャーナリストや人権擁護活動家の身の安全を保証するためにさらなる対策を講じ、それらの犯罪の加害者を裁判にかけること
・ 国連の強制失踪に関する作業部会や、拷問および超法規的・即決・恣意的処刑に関する特別報告者が、イングーシおよび北コーカサスに入ることを認めること
・ 死刑制度を廃止すること
・ 結社の自由の権利を促進する環境を整え、市民が自らの意見をより自由に表明できるようにすること
・ 民族的少数者の権利を保障するための措置を講じること
「今こそ、意義ある方法でこれらの課題に取り組むときである」と、マーティン・マクファーソンは語った。
「まさに、人権を守るといったロシア連邦の公約を実現するときなのだ」
背景:
人権理事会が国連加盟国すべての人権問題を審査する普遍的定期審査(UPR)において、ロシアはその報告書を提出し、人権理事会の理事国やオブザーバー国による質問に回答した。アムネスティを含む国内および国際人権団体は、理事会にそれぞれの報告書を提出した。人権理事会は報告書審査に先立ち、ロシアの人権状況について国連の情報を編さんしていた。提出された情報の審査後とその際の議論の中で、加盟国はロシア連邦の人権状況を改善するための措置を勧告した。
アムネスティ発表国際ニュース
2009年2月6日
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