- 2009年1月28日
- 国・地域:スリランカ
- トピック:地域紛争
アムネスティ・インターナショナルは、LTTEが少なくとも一つのケースで、負傷した民間人が安全なところへ避難または医療機関へ行くことを妨げたとの報告を受けている。これは戦争犯罪に該当する可能性がある。
「最近の戦闘で25万人以上の民間人が危険な状況に置かれている。戦闘で避難を余儀なくされた人びとは、食料、住居、医療をはじめとする人道援助を緊急に必要としている。1月16日から現在まで食料援助はまったく来ていない、とアムネスティ・インターナショナルのスリランカ担当調査員ヨランダ・フォスターは述べている。
スリランカ政府は、民間人のいる地域で軍事作戦を展開している。空爆と地上砲火により、民間人に死傷者及び物的損害と大量の避難民がでているという。
スリランカ政府軍は、タミールの虎を彼らが10年以上にわたって支配してきたすべての主要な都市部から追い払い、狭い地域に押し込めている。政府軍の攻勢の前に避難した30万人以上の人びともまた、この狭い地域に閉じ込められてしまった。彼らは何度も避難を余儀なくされてきており、戦闘が近づくにつれて、いっそう厳しい状況下に置かれている。
何百人もの人が死傷している。また、数少ない医療関係者が危険にさらされたり施設が損壊しているために、これまで受けられた治療が受けられなくなりつつある。
政府は、民間人が避難できるように「安全地帯」をいくつか宣言したが、現実にはその安全地帯で砲火のために死傷者が数人出ているとの報告をアムネスティ・インターナショナルでは受けている。
「安全地帯」にある病院で働く医師の一人は、病院の周辺に1000発もの砲弾が降り注いだと語った。
赤十字と国連の車列24台が、50人の子どもを含む300人近い負傷者を乗せこの地域から出ようとしていたところ、LTTEによって阻止された。
国連は、LTTEの許可が得られ、戦闘状況がおさまれば、再度、負傷者たちの搬出を試みると語った。29日の昼間には前線を越えたいとしている。
民間人を狙ったり、無差別の攻撃をすることは、いかなる紛争当事者によるものであれ、国際人道法に違反する。
「重傷の人たちの治療は最重要であり、タミールの虎は負傷した民間人を避難させるべきである。民間人が治療を受けるのを妨害することは戦争犯罪である」と、ヨランダ・フォスターは述べた。
アムネスティ発表国際ニュース
2009年1月28日
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