- 2009年1月19日
- 国・地域:ロシア連邦
- トピック:危機にある個人
「スタニスラフ・マルケロフはおそらく、人権を守るためのプロフェッショナルで勇敢な取り組みのために殺害されてしまった、さらなる犠牲者の一人である」と、アムネスティ・インターナショナルのヨーロッパ・中央アジア部長ニコラ・ダックワースは述べた。
アムネスティはスタニスラフ・マルケロフの遺族に対し哀悼の意を表するとともに、ロシア当局に対し早急に徹底的かつ客観的な捜査を行うよう求める。
スタニスラフ・マルケロフが担当し世間の注目を集めた訴訟は数多いが、2000年3月にチェチェン人の少女ケーダ・クンガエヴァが誘拐・強かんされた後、絞殺された事件に関する訴訟では、被害者遺族の代理人を務めていた。ユーリ・ブダーノフ大佐が殺人罪で有罪判決を受けた。マルケロフ弁護士が異議申し立てをしていたにもかかわらず、 ブダーノフ大佐 は2009年1月15日に早期釈放された。ケーダ・クンガエヴァの遺族の代理人としての活動に関して、マルケロフ弁護士は過去1週間にわたって度重なる殺しの脅迫を受けていた。
「スタニスラフ・マルケロフ弁護士の殺害は卑劣な犯罪である。このような犯罪は決して許されないことを明確に示すため、ロシア当局は断固たる措置を取るべきである」と、ニコラ・ダックワースは述べた。
背景:
アムネスティ・インターナショナルは過去に、人権を侵害された人びとを守るためいくつものケースでスタニスラフ・マルケロフ弁護士と共に活動してきた。マルケロフ弁護士 が2004年に襲撃を受け、殴られた上に書類を盗まれた際、アムネスティは彼のためにキャンペーンを行った。この事件は、ロシアの法執行官セルゲイ・ラピンによって拷問を受け、強制失踪させられた若いチェチェン人男性ゼリンカン・ムルダロフの遺族の代理人としてマルケロフ弁護士が活動していたことに関連して起きたものであった。スタニスラフ・マルケロフ弁護士は人種差別に基づく憎悪犯罪の被害者となった反ファシズム活動家の人びとの代理人としても活動していた。
アムネスティ発表国際ニュース
2009年1月19日
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