- 2008年12月29日
- 国・地域:ジンバブエ
- トピック:
国民のほぼ半数が食糧支援を渇望する中で、8月に始まったコレラの流行で何千人ものジンバブエ国民が死に瀕している。ジンバブエ当局が繰り返し人道支援を政治的に利用しようとし、問題の大きさを覆い隠そうとするため、同国が直面する多重的危機に対処しようとする国際社会の対応を困難にし、南部アフリカに位置する同国を政治的混乱に陥れている。
8月に始まったコレラの流行は保健・医療サービスがどの程度崩壊しているのかを明白にした。24,000人が感染していると記録されている中、公式には1,200人以上が死亡したとされている。しかし、すべての感染者を記録する能力が無いことを主な理由として、実際の死者数は報告されているものより高いと信じられている。
ジンバブエから南アフリカに着いたばかりの避難民からアムネスティ・インターナショナルが聞き取ったところによると、村むらでは10人前後が死亡と記録されているとのことだった。主要病院の多くが閉鎖され、国立病院に残っている医師や看護士も劣悪な業務環境や医薬品の不足に抗議して長くストライキを続けている。農村地域で救助活動をしてきた教会運営の各病院も崩壊の瀬戸際に立たされていると伝えられている。
コレラは予防も治癒も可能な病気である。現在の流行は首都のハラレを初めとするジンバブエの主要都市内の上下水道管理の破綻が引き金となっている。500万人以上のジンバブエ国民が食糧不足に直面しており、国際人道援助に頼っている。マスヴィンゴ州やマタベレランド州の飢饉を逃れた人びとをアムネスティは南アフリカの国境にある町ムシナで聞き取り調査したところ、農村部の家族は多くが野生の果物を食べて飢えを凌いでいると避難民はアムネスティに語った。
2008年から2009年にかけての耕作期は多くの家族が種や肥料を確保できずに不作を招いていると人道支援関係者もアムネスティに語った。食糧援助を必要とする人びとの数は2009年に増加する見込みである。
政治的不安定とコレラの流行、食糧不足が複合したことにより、何千ものジンバブエの人びとが近隣諸国に避難することを余儀なくされている。国境の町ムシナだけでも、1,000人もの孤児たちがいると伝えられている。9月15日に主要各政党が署名した政治合意が破綻した場合に、さらなる政治的理由による暴力が予想されており、避難民の中にはそれを恐れる若い人びとも含まれている。
アムネスティ発表国際ニュース
2008年12月24日
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