- 2008年11月 5日
- 国・地域:米国
- トピック:「テロとの闘い」における人権侵害
アムネスティは、新政権が就任から100日以内に具体的な対策を講じ、米国がその国際的な義務に従って真摯に責任を果たすよう求める。
大統領に就任してから100日間のうちに、アムネスティは、とりわけ次のことを実施するよう新政権に求める。
- グアンタナモ米軍基地内の収容施設閉鎖の計画と日程を発表すること。
- 国際人権法で定義されている拷問や虐待を禁止する大統領令を出し、すべての米政府機関に適用させること。
- 「テロとの戦い」の下で米政府が犯した人権侵害について調査する独立した委員会を設置するよう命じること。
以上の要求は、アムネスティが新大統領に対し、就任100日以内に実行するよう求めている行動の「チェックリスト」の一部である。
「バラク・オバマ次期大統領は、前政権が承認した拘禁政策とその運用からきっぱりと袂を分かたなければならない。米国内そして世界中の何百万という人びと、政治家、宗教指導者たちがそうした変革を望んでいる。今こそそれを実現するときだ」と、アムネスティのアイリーン・カーン事務総長は述べた。
「オバマ次期大統領は、国家安全保障の名の下に、国内外で行われた米政府の違法な行為が引き起こした被害を回復しなければならない」と、アムネスティのラリー・コックス米国事務局長は語った。「過去8年の米政府の政策は、何千人もの基本的権利を侵害し、人権問題に関する米国の信頼を傷つけ、外交関係を緊張させた。世界中が注目する中、新しい大統領と議会を得て、米国は今こそ国際的義務の履行を約束し、法の支配こそがその政策の基盤であることを保障しなければならない。」
「アムネスティはまた、オバマ次期大統領に対し、国際的に認められた人権を広げるための諸政策を推し進めるよう要請する。米政府は、ダルフールのような民間人に対する甚大な人権侵害を止めるために道義的なリーダーシップを発揮し、今も続く米国内外の女性や少女に対する暴力に終止符を打ち、人権擁護活動家を支持し、国際刑事裁判所を中心に据えた国際司法制度を支持すべきである。」
「オバマ次期大統領とその政府が開始するすべての政策、行動、課題の中で、人権は不可欠の要素でなければならない。経済の現状が目下の公の関心事であり、国際的な課題となるだろうが、強固で揺らぎのない人権課題も優先事項である。人権侵害の加害者という米国の汚名を回復することは、言い表せないほどに重要である」と、ラリー・コックス事務局長は語った。
「新政権は、ブッシュ政権の過ちを正し、国内外で人権を擁護する者としての米国に立ち返らせなくてはならない」と、アイリーン・カーンは語った。
新政権の最初の100日間に、アムネスティは米国および世界中の会員と支援者に呼びかけ、次期大統領と議会に対し、人権に対する責任を果たすために直ちに対策を講じ、切迫した国内外の課題に取り組むよう要請するものである。
アムネスティは、新政権の人権政策について協議するため、次期大統領との早期の会合を要請している。
アムネスティ発表国際ニュース
2008年11月5日
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