- 2008年1月11日
- 国・地域:米国
- トピック:「テロとの闘い」における人権侵害
アムネスティの行動計画は、政府が「テロ」と戦う能力を低下させることなく「テロとの戦い」における違法拘禁をやめさせるための13の勧告からなり、グアンタナモ収容所の閉鎖を可能にする具体的な提案を米国当局に示している。
「グアンタナモを、今、ただちに閉鎖しなければならない。それがこの異常な施設を是正する唯一の方法だ」。アムネスティ事務総長アイリーン・カーンはそのように語った。
英国、イスラエル、日本を始め多くの国ぐにの国会議員が賛同署名した行動計画は、人身保護請求の復活、秘密拘禁の中止、そして被収容者を釈放しない場合には起訴および独立かつ公正な裁判を実施することを求めている。行動計画は、釈放された人びとのために合法的かつ安全な解決の道を見出すようを強調している。
「グアンタナモ収容所とCIAの秘密収容ネットワークが典型的に示しているように、米国政府が『テロとの戦い』において適用した違法な措置は、国家安全保障の名のもとに基本的人権を棚上げにすることができるという危険な考えを助長してきた」とアイリーン・カーンは述べた。
米国が適用している拘禁措置は、法の支配と人権の尊重に対して悪影響を及ぼしている。パキスタンからアフリカ東部、そしてヨーロッパにいたるまで、各国政府はその違法行為に加担し、場合によっては同様の違法行為を自ら行なうようになった。たとえばパキスタンでは、しばらく前に「失踪」したと考えられていた人びとが最近になって姿を現わしたが、これにより同国における人権侵害が再び浮き彫りにされた。
アムネスティは、CIAによって秘密拘禁施設に収容されたと考えられ、その消息がいまだに不明である少なくとも38人の情報を把握している。CIAによるレンディション制度(国家間の秘密で不法な被拘禁者の移送)と秘密拘禁計画は、他の諸国政府の協力なしには実行不可能であった。また各国政府は、グアンタナモ収容所における拘禁についても加担し続けてきたことになる。
「恣意的で秘密の拘禁は基本的人権の原則に反するものである。このような不正義が21世紀にあってはならない。この様なことが恒久化すれば、怨恨を増殖させ、安全を推進するどころか脅威にさらすことになる」とアイリーン・カーンは述べた。
アムネスティは、真の変革を求める世界中の国会議員やその他の人びとの声がある以上、米国がこれにきちんと耳を傾けるよう呼びかける。同時に各国政府にも、その「反テロ」対策が国際人権の義務を果たすものであることを確約するよう求める。
アムネスティ発表国際ニュース
2008年1月11日
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