- 2007年12月17日
- 国・地域:スーダン
- トピック:地域紛争
「スーダン政府は依然としてアフリカ人以外の部隊の配備を妨害しており、軍用機の夜間飛行を禁止し、平和維持軍のための通信を妨害する権限があると主張し続けている」。
「これが継続すれば、これまでアフリカ連合と同じように国連の活動は束縛される。これは、国連、そして何よりもダルフールの人びとにとって、大変不幸なことになる」。アムネスティのアフリカ部部長アーウィン・ヴァン・デル・ボルト はそのように述べた。
「スーダン政府はダルフールの人びとの生命をもてあそんではならない。同国政府は、国連平和維持軍の配備については、明確に配備を承諾したはずである。そうである以上、その効果的な活動を可能にさせなくてはならない。そのためには、国連平和維持軍に対し目前の重要な任務遂行のために必要なあらゆる施設、人的資源、インフラを提供する必要がある」。
2008年1月1日に、国連軍(UNAMID)がアフリカ連合(AU)から平和維持活動を引き継ぐ予定である。AUはスーダン政府の執拗な規制に苦しまされてきた。
12月14日、スーダン政府は、何者かにより背中を撃たれたアフリカ連合の兵士の救助を遅らせた。アフリカ連合は、重傷の兵士を緊急救命措置のためハルツームに飛行機で運ぶ許可を得る交渉に3時間を要した。
「スーダン政府は、国際法の下、紛争中に負傷したものは誰であっても、その避難に助力するよう義務づけられている。スーダン政府が配備を遅らせようとしていることは危険な行為であり、全く受け入れがたいものである。UNAMIDは、派遣準備中のこの数週間のうちに、スーダン政府からこのような行為をやめるという保証を得るべきである」とヴァン・デル・ボルトは述べた。
「スーダン政府の妨害に加えて、国連を支える側であるはずの国際社会が平和維持活動に必要なヘリコプターの提供をこれまで拒否しているために、国連の努力は妨げられている」。ヴァン・デル・ボルト部長はそのように述べた
国連は効果的な平和維持活動を実行するには24機のヘリコプターが必要だとしているが、国連事務総長が欧州、米国、カナダ、その他各国の首脳へ直々に訴えたにもかかわらず、これまでただの1機も提供されていない。
「ダルフールで今まさにおきている悲劇に対し、国際社会は嘆くばかりで必要な装備を提供しようとしていない」。ヴァン・デル・ボルト部長はそのように述べた。
「平和維持軍がダルフールの民間人を守る任務を果たすために必要なヘリコプターをただの1機もすすんで提供しないことを考えると、ダルフールの苦難についての国際社会の苦悩はうわべだけのものでしかないように思われる」。
*アムネスティ・インターナショナルのダルフールにおける効果的な民間人保護に関する16の課題「もう時間がないーダルフール平和維持活動への課題」は以下からご覧になることができます。
http://www.amnesty.org/en/report/info/AFR54/065/2007
2007年12月17日
関連ニュースリリース
- 2021年12月 1日 [国際事務局発表ニュース]
スーダン:デモ参加者多数が死亡 発砲した治安部隊の捜査を - 2020年6月19日 [国際事務局発表ニュース]
スーダン:バシル前大統領らを国際刑事裁判所に引き渡せ - 2020年2月19日 [国際事務局発表ニュース]
スーダン:バシル前大統領ら 国際刑事裁判所に引き渡しへ - 2019年12月 6日 [国際事務局発表ニュース]
スーダン:女性に差別的な法を撤廃 大きな前進 - 2019年8月26日 [国際事務局発表ニュース]
スーダン:バシル前大統領を国際刑事裁判所で裁け