- 2007年11月27日
- 国・地域:ミャンマー(ビルマ)
- トピック:危機にある個人
「平和的な抗議行動が暴力的に鎮圧されて以来2カ月、状況は平常にもどったという当局の発表とはうらはらに、表現と結社の自由を組織的に抑圧するビルマ軍政の一部によって恣意的な逮捕は続いている」。アムネスティのアジア太平洋部長キャサリン・バーバーはこのように述べた。さらに、「軍事政権にとっての平常化とは、メディアの目の届かないところで組織的かつ広範に人権侵害が行われる状況に戻ることであろう。しかし国際社会はそのような状況をこれ以上容認してはならない」と、バーバー部長は述べた。
アムネスティが確認している11月に入ってからの逮捕は以下のとおりである。
・ 11月4日、全ビルマ僧侶同盟のトップであり9月の抗議行動の指導者であるガンビラ和尚が逮捕され、国家反逆罪で起訴された。彼を隠れ家からおびき出すための人質として先に拘禁されていた家族2人も、いまだに拘禁されている。
・ 11月13日、軍政は国民民主連盟青年部のススヌウェイを逮捕した。ともに活動していた女性ボボウィンフラインも、反政府ポスターを張っているところを逮捕された。
・ 11月14日、少なくとも3人がヤンゴン市内で反政府パンフレット配布中に逮捕された。11月15日、当局はラカイン州西部の僧院を急襲し、9月の抗議行動にかかわったとして指名手配されていたタンラマ和尚を逮捕した。逮捕の際、彼は殴打されたとの報告があり、その後の行方はわかっていない。
・ 11月20日、国民民主連盟の幹部であるミンナインが拘禁された。
・ 11月20日、少数民族アラカンの指導者ティンオーンが拘禁され、行方不明である。
・ 11月20日と21日、アラカンの指導者シンシアンタンとアイタルアウン、モン国民民主戦線のナインニェーテイン、カチンの政治的指導者クントゥーが拘束されたが、尋問の後に解放された。
・ 11月26日、人権擁護促進団体HRDPのアウンゾウオーがヤンゴンで逮捕された。12月10日の国際人権デーのイベント計画に関与していたことが原因と思われる。
アムネスティは、これ以上逮捕はしないとのビルマ軍政の約束にもかかわらず、まだこのように逮捕が行われている事実に深く失望させられている。つい先週、ビルマ軍政はASEAN40周年記念サミットに出席し、「人権の促進と擁護」を誓う新憲章に署名したばかりである。
9月の抗議行動から現在までに、約700人が拘禁されており、それ以前から拘禁されていた1150人の政治囚も釈放されていない。 アムネスティはビルマ軍政に対し、表現・集会・結社の自由の権利を平和的に行使しただけで拘禁されたすべての人びとを釈放するよう、また、長期に収監されている良心の囚人、最近逮捕された良心の囚人らを釈放するよう、緊急によびかける。
AI Index:ASA 16/041/2007
2007年11月27日
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