- 2007年7月 5日
- 国・地域:ロシア連邦
- トピック:危機にある個人
ヨーロッパ人権裁判所は、アリハジエヴァ対ロシア事件について、1990年代後半にチェチェン議会の議長を務めたルスラン・アリハジエフが、2000年5月にロシア当局によってチェチェンで拘禁されたと認めた。ロシア当局はルスラン・アリハジエフの安否や居場所を公表していない。ヨーロッパ人権裁判所は、ルスラン・アリハジエフは誰にも知られない状況下で拘禁された後に死亡したと推定するべきだとし、その推定死亡の責任はロシア政府にあると判断した。
「第2次チェチェン紛争に関連する事件が次々とヨーロッパ人権裁判所に申し立てられているが、それらに対する同裁判所の判断は、ロシア連邦軍による深刻な人権侵害とそれらを実効的に調査する意思を、政府が一貫して持っていないことを如実に示している」と、アムネスティのヨーロッパ・中央アジア部長ニコラ・ダックワースは語った。
「ロシア政府関係者は、チェチェンにおけるすべての集団埋葬地が法医学の専門家によって調査されるよう保証しなければならない。失踪者の親族や目撃者は、脅迫や報復行為から保護されるべきである。行方不明、失踪、誘拐されたすべての人びとの包括的なリストを公表すべきである。何よりも、失踪あるいは誘拐された人びとの安否と居場所を明らかにし、強制的失踪と誘拐に責任のあるすべての者は司法によって裁かれるべきである。
「最近行われたロシア検察官事務所の組織改革によって、ヨーロッパ裁判所から何度も指摘されてきた深刻な人権侵害の調査に関する組織的欠陥が十分に改善されるかどうかは、まだ不明である。」
背景
ヨーロッパ人権裁判所は、ルスラン・アリハジエフの強制的失踪とその状況を効果的に調査できなかったことに関して、人権および基本的自由の保護に関するヨーロッパ条約の第2条、5条および13条に違反すると判断した。同裁判所はまた、申し立て人であるルスラン・アリハジエフの母ズーラ・アリハジエヴァが、息子の失踪と何が実際に起きたのか知ることができなかった結果、悲嘆と苦悩にくれ、また現在も苦しみ続けていることに関して、同条約の第3条に違反すると判断した。
AI Index :EUR 46/028/2007
2007年7月5日
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