- 2007年4月27日
- 国・地域:日本
- トピック:死刑廃止
本日、死刑確定者の名田幸作さん(大阪拘置所)、小田義勝さん(福岡拘置所)、田中政弘さん(東京拘置所)に対して死刑が執行されました。私たちはこの執行に対して強く抗議します。
今回の執行は国会開会中でしたが、5月の連休直前で国会が事実上、一時休会状態に入る時期を選び、安倍首相が訪米中で日本にいない時期を選んで行なわれたと思われます。これは、従来通り、国会における議論を避ける時期でした。また、法務省自身が死刑執行は慎重な判断が必要と言っているにもかかわらず、昨年12月の執行以来、わずか4カ月をおいての執行という早急なものでした。さらに、今回の死刑の執行についても、本人や家族を含め誰にも事前の予告はなく、突然に行われました。
アムネスティ・インターナショナルは本日付で「死刑:執行停止への流れが世界的に高まり、執行数が減少」のニュースリリースを発表しました。死刑廃止・死刑執行停止の潮流は地球規模で広がり、死刑存置国数・死刑執行数は減少の一途をたどっています。世界の死刑執行数は2005年には2148件でしたが、2006年には1591件に減少しました。他方、死刑を執行する国は一部に集中してきています。2006年における死刑執行の91パーセントは6カ国(中国、イラン、イラク、パキスタン、スーダン、米国)に集中しています。日本はこれらの国ぐにと並んで、死刑を廃止せず、死刑執行を行なっている数少ない国となっています。
アムネスティはあらゆる死刑に反対し、死刑制度の廃止を訴えています。アイリーン・カーン事務総長は「死刑は残虐、非人道的かつ品位を傷つける究極の刑罰です。死刑は恣意的で、犯罪減少に効果がないと証明されており、暴力的な環境を永続させます。そのような環境の下では、真に正義が達成されることはあり得ません。死刑は廃止されるべきです。世界的な執行停止はそのための重要な一歩です」と述べています。
昨年7月にアムネスティは日本の死刑に関する報告書を発表し、日本では高齢者や精神を患った死刑囚が、何十年も独房で事前に執行日を教えられることもなく突然の処刑を待っている事実を指摘し、死刑廃止への第一歩として、まず死刑をとりまく秘密主義に終止符を打つよう日本政府に要請しています。日本が人権の観点から死刑について議論し、死刑制度という究極の人権侵害を廃止する一歩を、近い将来に踏み出すことをアムネスティは期待しています。
2007年4月27日
社団法人アムネスティ・インターナショナル日本
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