- 2007年4月23日
- 国・地域:ジンバブエ
- トピック:危機にある個人
ジンバブエが独立27周年を祝う4月18日、多くの市民が警察の留置場に収容されたり、警察や治安維持機関に負傷させられて治療中である。あるいは、平和的に抗議する権利を行使できないまま、恐怖の中で生きている。大勢の人が、野党を支持したというだけで拉致されたり拷問を受けたりするのを恐れ、眠れない夜を過ごしている。2000年以降、アフリカと世界中の人びとは、ジンバブエでの人権状況の急激な悪化を目の当たりにしてきた。2005年には70万もの人びとが家と暮らしを破壊されている。今こそ、われわれみんなが声をひとつにして抗議するときではないだろうか。
最近では、ジンバブエ政府に批判的な人びとを標的にした組織的な人権侵害が行なわれている。2007年3月11日、ハラレの警察は地元の活動家、ギフト・タンダレを射殺した。同日、警察は、ハラレでの祈祷集会に参加しようとした野党指導者とその他の活動家たちを逮捕した。逮捕された多くは、ハラレにあるマチピサの警察署で殴打された。これは拷問にあたる。負傷者の中には、頭がい骨を骨折した、主要野党MDCのモーガン・ツバンギライと、腕を骨折した全国憲法会議のロベモレ・マドゥクが含まれる。その他にも、重傷者として、いずれもMDCの活動家であるグレース・クィンジェとセカイ・オランドがいる。警察は重傷者を留置場に収容したまま、弁護人との面会や治療を受けさせなかった。合計で50名の活動家が平和的な集会および結社の権利を行使したために逮捕された。平和的な集会および結社の権利は、ジンバブエ憲法21条、人および人民の権利に関するアフリカ憲章(アフリカ憲章)10条と11条、市民的および政治的権利に関する国際規約(自由権規約)21条と22条で保障されている。
アムネスティ・インターナショナルは、ジンバブエがアフリカ連合と国連の人権の枠組を無視することをアフリカ連合加盟国の指導者たちが容認していることを非常に懸念している。アフリカ連合加盟国の指導者が免責の風潮を放置し、逮捕、拘禁、拷問はジンバブエでは今や日常茶飯事となっている
アムネスティは、アフリカの指導者たちに対し、ジンバブエの被害に終止符を打つためのさらなる努力を期待する。ジンバブエの危機を解決するために肝心なことは、人権侵害の加害者の責任を問い、被害者が裁判に訴えることができるよう保証することである。被害者が求めるものを回避しようとするなら、それは決して解決にはならない。アムネスティは、ジンバブエ国内全土にはびこる人権侵害を解決するための第一歩として、人および人民の権利に関するアフリカ委員会が2002年に出した事実調査団の報告書の勧告をジンバブエ政府が完全に実施することを、アフリカのすべての指導者が強く主張するよう求める。
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