- 2007年4月 4日
- 国・地域:チャド
- トピック:地域紛争
殺害はダル・シラ地方のティエロ村とマレナ村で起きた。襲撃者は2つの村に火を放ち、男性、女性、子どもたちに向けて銃を撃った。
チャド政府によると、攻撃したのはスーダンからチャドに入ってきたジャンジャウィド民兵で、チャドのアラブ系民兵組織と行動をともにしている。地元の自衛民兵組織がなんとか撃退したということだが、それまでに少なくとも25人の民間人が犠牲になっていた。
地元の消息筋によると、ティエロ村とマレナ村から約50キロ離れたコウコウ村に配備されたチャド軍が介入したのは、ジャンジャウィド民兵の攻撃後1日たってからだったという。
「チャド政府はあきらかにチャド東部の紛争で被害を受けた民間人を保護する責務を果たしていない」と、アムネスティのアフリカ部のタワンダ・ホンドラ副部長は述べた。「民兵の攻撃から民間人を守ることができるだけの国連軍の配備をチャド政府が拒否していることを考えると、これは極めて懸念すべき状況だ」。
国連安保理は2006年8月にチャド東部への国連軍の多面的な配備を求めた。最初は受け入れを示唆していたチャド政府だったが、最近になり警察組織は受け入れるが、軍の駐留は受け入れない旨を表明した。
「チャドは即刻、現在進行中の紛争から民間人を守るのに十分な装備を持ち、明確にそのような任務を与えられた国連軍の駐留を許可するべきである。」とホンドラ副部長は言う。
「ジャンジャウィド民兵がしつこくチャドへの越境攻撃を繰り返していることがとりわけ懸念される。地域コミュニティ全体に対して、意図的に殺害、強かん、強制移住、攻撃などを加えることは、非難されるべきである」。
「チャド東部の治安状況は依然として悲惨である。明確に改善に向かっていると私たちが確信できるような変化はまだ見られない。望むべきは、たとえば、民兵組織の解散、武装解除、政府と反政府勢力との休戦、人権侵害行為の加害者の裁判、チャド東部で起きていることに密接に関係するダルフール危機の解決などの変化である。」
「たしかに、チャド危機の長期的解決は、政府と反政府武装勢力との完全な停戦と、ダルフール危機の解決がなければ不可能だろう。しかし、チャドの人びとはそれを待ってなどいられない。国際社会は、チャド東部の人びとを保護するために行動をとらなければならない。そしてチャド政府はその実現を保証しなければならない。」と、ホンドラ副部長は付け加えた。
背景:
チャドのアラブ系の同盟者たちに支援されたジャンジャウィド民兵による民間人を標的とした攻撃を含め、チャド東部の紛争は12万人以上の国内避難民を生んでいる。また、数千人以上が殺害され、強かんや大規模な強制移住が戦争の手段として使われている。
アムネスティ国際ニュース発表
(2007年4月4日)
AFR 20/006/2007
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