- 2007年1月15日
- 国・地域:イラク
- トピック:死刑廃止
サダム・フセインの異父弟、バルザン・イブラヒム・アル=ティクリティ元イラク情報部長官と、アワド・ハマド・アル=バンダル・アル=サドゥン元革命裁判所長官が本日絞首刑に処せられた。2人は2006年11月5日、イラク高等法廷(SICT)での不公正な裁判によって、フセイン元大統領とともに死刑判決を受けていた。控訴裁判所は12月26日に死刑判決を支持した。
アムネスティの中東・北アフリカ部のマルコム・スマート部長は次のように述べた。「フセインとその側近は、政府が行なったひどい人権侵害に対する責任を問われるべきだったことはまちがいないが、それは公正な裁判手続によって行なわれなければならず、また死刑によるべきではなかった。絞首刑の際にバルザン・イブラヒム・アル=ティクリティの首が切断されたことは、死刑という残虐、非人道的かつ品位を傷つける刑罰の残忍さをますます強調したにすぎない。」
また、別の元政府高官も処刑の危機にあることをアムネスティは憂慮している。タハ・ヤシン・ラマダン元副大統領は2006年11月5日に終身刑の判決を受けた。しかしSICTの控訴審は12月26日、より重い刑罰を要求して原審に差し戻した。そのため元副大統領は死刑判決を受けて処刑されるおそれがある。
SICTでの裁判は、公正な裁判の国際基準を満たすものではなかった。政治が介入したために法廷の独立性と公平性が損なわれ、最初の裁判長が辞任し、新たな裁判長の任命が妨害された。法廷は証人および被告側弁護人を適切に保護する措置をとらなかったため、このうち3人が裁判中に暗殺された。サダム・フセインも逮捕されてから1年間は弁護人との接見を拒否された。弁護人らは、裁判手続に関して、公判期間中を通じて異議を申し立てたが、法廷がこれに対し適切に応じたようには見えない。控訴審が性急に行なわれたのは明らかで、原審の欠陥はまったく修正されなかった。
死刑は生きる権利の侵害であり、残虐、非人道的かつ品位を傷つける究極の刑罰であることから、アムネスティは全面的に死刑に反対している。イラクでは、2004年8月に死刑が復活して以来、その適用が急増している。2006年には少なくとも65人が処刑されたが、その多くが不公正な裁判によるものだった。
アムネスティ国際ニュース発表
(2007年1月15日)
AI Index: MDE 14/002/2007
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