- 2006年9月19日
- 国・地域:バングラデシュ
- トピック:危機にある個人
バングラデシュ政府が本日、フルバリの抗議者の要求を受け入れるとの声明を発表したことに対し、アムネスティ・インターナショナルは、治安部隊による権力濫用と殺人を処罰することへの断固たる取組みが欠けていると指摘した。
8月26日、警察とバングラデシュ・ライフル隊(BDR)はフルバリの群衆に向けて発砲し、少なくとも5人が殺され、100人以上が負傷した。人々は英国企業アジア・エネルギー社によって露天掘り鉱山が開設されることに抗議をしていたところだった。彼らはこの計画が、強制立ち退きと生活手段の消失につながることを危惧していた。
「政府は事件を調査すると約束したが、バングラデシュの過去の記録をみると、この種の殺人に対する責任が司法で裁かれるという保証はない」とアムネスティの南アジア担当調査員であるアッバス・フェイズは語った。
カンサット北部の町で電力不足に対して抗議デモを行っていた人々が発砲され、今年の一月から四月にかけて少なくとも17人が殺されている。これらの殺人に対する独立した調査は行われておらず、誰も法的責任を問われていない。
「BDRを尋問する権利がある独立かつ公正で適任な団体があらゆる調査を行うべきである。その結果は公開されるべきであり、権力を濫用、あるいは過大な力を行使した者たちは一刻も早く司法にかけられるべきである。」
背景情報
フルバリにおいては更に、デモ行進者がアジア・エネルギー社に到達するのを治安部隊が妨害した際、治安部隊と数千人のデモ行進者との間に乱闘が起きた。デモ行進者の中にはこん棒や弓矢を持っている者もいたと報告されている。この抗議活動の最中、一人の警官が死亡した。当局は彼の死について、頭部に負傷を受けた後の心臓発作が原因だと主張した。
政府は今日、デモ行進者の要求を受け入れ、アジア・エネルギー社との契約を解約し、犠牲者とその家族に賠償金を支払い、今後の鉱山計画については関係者と話し合い、殺人事件を調査し、また、デモ行進者に対する訴訟を撤回すると発表した。
AI Index: ASA 13/007/2006 (Public)
2006年8月31日
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