- 2006年7月19日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:イスラエル/被占領パレスチナ地域/パレスチナ
- トピック:地域紛争
アムネスティは、G8各国が今回の紛争の議論の中で、市民の保護を政治より優先させることができなかったことを残念に思い、またイスラエルとヒズボラの双方が市民を攻撃しつづけていることを非難する。
「この数日間、一般市民とインフラに対する攻撃が恐ろしいほどに拡大した。それにもかかわらず、G8の指導者たちは、このようなはなはだしい国際人道法違反に対処する道徳的かつ法的義務を確認することすらできなかった。これらの違反の中には、戦争犯罪に匹敵するものもある」とアムネスティ・インターナショナル中東プログラムのマルコム・スマート部長は語った。
「非難合戦を超えて必要なことは、レバノンとイスラエルにおける一般市民の殺害を食い止めることを目的とした、緊急に行動するための具体的提案である」
具体的には、市民と物に対する攻撃および他の国際人道法違反を調査するために、国連現地調査団を直ちにレバノンとイスラエルへ派遣することを、アムネスティ・インターナショナルは国連安保理に要請した。国連の任務は、市民の生命を助けるために当事者がとるべき手段について、具体的勧告をなすことである。それは、市民やインフラを実効的に保護することを保証するために、駐留している国連レバノン暫定部隊(UNIFIL)を強化すべきかどうか、あるいは異なる国際平和維持軍を展開すべきかどうかを考慮することも含んでいる。アムネスティはまた、一般市民と物が攻撃されないよう保証するための適切な手段をイスラエルとヒズボラが講じるまで、両者に対して全ての軍事物資の補給の停止を命じるよう安保理に要請した。
国連の現地調査は、十分な人材や物資などに裏付けられたものでなければならない。また調査は、犯罪と法医学的調査において必要な専門知識を有する中立的な調査員たちによって実行されるべきである。またその調査は、法医学、弾道学、人権法と人道法の分野の専門家を含むべきである。全ての当事者 - イスラエル側とレバノン側 – は、専門家が何ら制限なく当該地域の人びとに会い、現場に入り、また文書を入手することに合意し、十分に協力すべきである。
レバノンにおいて、イスラエルの爆撃作戦によって深刻な犠牲を払いつづけているのは、一般市民である。7月12日以来、レバノンでのイスラエル軍の空爆によって殺害された約215名のレバノン人の内訳は、数十名の子どもを含む少なくとも200名の民間人だったと伝えられている。ヒズボラの軍事部門は、イスラエル北部へのロケット攻撃で1人の子どもを含む12名のイスラエルの市民を、12名の兵士と共に殺害した。多くの市民を含む数百名が、双方で負傷した。
イスラエル軍はレバノン全土に渡って民間のインフラを大規模に破壊してきた。それは何十もの橋、道路、発電所、国際空港、港、穀物貯蔵用サイロや他の施設を意図的に標的としたものである。数万名もの民間人、特にレバノン南部と首都のベイルート郊外に住む人びとが自らの家から避難せざるをえなくなった。
ヒズボラもまた市民の生命を軽視し、イスラエル北部の町や村に向けてカチューシャや他のロケット弾を数百発、意図的に発射し、数名のイスラエル市民を殺害し、さらに多くの負傷者を出した。また、家屋や他の市民の財産にかなりの損害を与えている。
アムネスティ国際ニュース
(2006年7月18日)
AI Index: IOR 41/012/2006
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