- 2006年6月12日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:EU
- トピック:「テロとの闘い」における人権侵害
同報告書によって、米国が法を無視して張り巡らせてきた国家間移送(レンディション)の「蜘蛛の巣」は、「法の基本的原則に反する」ことが明確になった。国家間移送は「失踪」、恣意的拘禁、不法移送、そして拷問や虐待を含んでいる。
同報告書は、国家間移送の中には欧州評議会加盟国が関与または協力したものもあるというアムネスティの調査結果を追認している。同報告書はさらに、秘密拘禁が行われた可能性のあるルーマニア国内とポーランド国内の場所についての情報も明らかにしている。これにより、両国当局は徹底的かつ独立した調査を遅滞なく行う責任を負うこととなった。
欧州評議会の勧告はアムネスティの要請と同じである。とりわけ、米国と欧州各国は国家間移送を終わらせ、これに関する徹底的かつ独立した調査を行わなければならない。自国および諸外国の諜報機関が説明責任を果たすことを保証すべきである。
アムネスティはまた、米国と欧州各国、さらには国家間移送に関与したり秘密拘禁を行ったりした国ぐにが、この重大な人権侵害の犠牲者に対して償うことを保証するよう要請する。
ディック・マーティーの報告書にまとめられた不穏な事実は、各国がテロ行為阻止のためにどのような手段を取ろうとも、人権を尊重し保証することの必要性を浮き彫りにした。さもなければ、ディック・マーティーが同報告書で述べているように、「確立された政治的、法律的、社会的秩序を破壊しようともくろむ輩を後押しする」ことになる。
ディック・マーティー自身が示唆しているように、国家間移送と秘密拘禁に関する真実の探求はこの調査結果の公表で終わるはずはなく、また終わってはならない。米国と欧州各国は徹底的調査を行い、その結果を欧州評議会と欧州議会に対して完全に開示すべきである。
アムネスティ国際ニュース
(2006年6月7日)
AI Index: EUR 01/010/2006
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