- 2006年4月19日
- 国・地域:日本
- トピック:危機にある個人
2006年4月19日
本日(2006年4月19日)、「共謀罪」に反対するNGO・NPO共同アピールに賛同する各市民団体は、都内衆議院第二議員会館で記者会見を開催し、今国会で審議されることが決まった共謀罪法案が市民活動全体に及ぼす悪影響についての懸念を表明した。
今回、共謀罪に反対する共同アピールを出した市民団体は、平和、環境、人権を尊重し、社会的公正の実現と持続可能な社会づくりなどの分野で、地域や海外の市民社会とともに幅広い活動を展開している団体であり、共謀罪がこうした市民運動のための基本的な活動基盤を脅かし、市民活動に必要な会議なども自由に開けなくなくなると警鐘を鳴らしている。「たとえば市民団体が政策提言を政府や企業に届けようとした場合でも、その行為そのものが業務妨害とされて、相談しただけで処罰することが可能になる」。
また今回の法案では、共謀に加わっても発覚前に自首した場合は刑を減免するとなっているため、団体内での「密告」が奨励されかねない。これでは、市民団体の内部に「不信」の芽を撒き散らし、「市民の声や活動を社会に届けることが難しくなる」。
現在、日本では非営利活動やボランティア活動への関心が増しており、市民が国際的に活躍する場も増えている。にもかかわらず、「共謀罪は、このような市民社会の広がりや活力を奪いかねない」うえ、「国際社会に大きな責任をもつ日本が、共謀罪によって、NGOをはじめ市民社会による具体的貢献を縮小してしまうことになれば、世界に対する社会的責任放棄となる」と、各市民団体は指摘している。
「市民の言論が守られることは、民主主義の根幹であり原則。自由にものが言えず活動ができない社会は民主主義を崩壊させるばかりか、人権尊重を追及する国際社会の流れに逆行する」と、各市民団体は主張している。
【呼びかけ人】
寺中誠(社団法人 アムネスティ・インターナショナル日本事務局長)
星川淳(特定非営利活動法人 グリーンピース・ジャパン事務局長)
清水俊弘(特定非営利活動法人 日本国際ボランティアセンター事務局長)
櫛渕万里(国連特別協議資格NGO ピースボート事務局長)
西野瑠美子(VAWW-NET ジャパン 共同代表)
森原秀樹(反差別国際運動日本委員会(IMADR-JC) 事務局長)
色平哲郎(内科医師)
【声明への賛同団体】
168団体
個人82人
共謀罪にNoサイバーアクションをグリーンピース・ジャパンと共同でおこなっています。
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