- 2005年7月28日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:アジア/太平洋地域
- トピック:難民と移民
この呼びかけは本日、ラオスのビエンチャンで開催されるASEAN外相会議に先だち、東南アジアで難民や移住労働者に対し広範囲にわたる人権侵害があることを受けてのものである。
「東南アジアで何万人という難民や移住労働者が、裁判なしに拘禁されたり、強制送還されたり、非人道的で品位を傷つける扱いを受けるなど人権侵害を受けてきた。ASEAN全加盟国がこれらの国連条約をすみやかに批准すれば、このような人権侵害は到底容認できないという明白なメッセージとなるだろう」とアムネスティのアジア太平洋部長プルナ・センは語った。
難民の地位に関する条約とその1967年議定書、すべての移住労働者とその家族の権利保護に関する条約を批准するようにアムネスティはASEAN加盟国に呼びかけている。
アムネスティはタイ、マレーシア、カンボジアでの状況を特に懸念している。
タイでは、特にビルマ(ミャンマー)からの庇護希望者や移住労働者、ラオスの少数民族モンの人びとが広範囲にわたる人権侵害を受けてきた。強制送還や強制送還の脅しを受けたり、入管収容施設で拷問や非人道的または品位を傷つける取り扱いを受けたり、庇護希望者も含む移住労働者が危険な労働環境や住環境に置かれた。七月はじめ、一時保護施設から追い出され、宿泊場所や充分な食料、適切な衛生設備なしに放り出された6000人以上のモンの庇護希望者を強制送還するとタイ政府は脅迫した。この発表は後に取り消されたが、彼らの将来は不安定であり、十分な支援が行き渡っていない。
マレーシアでは、子どもを含む難民や移住労働者が、残酷で非人道的な取り扱いにあたる環境下で入管施設に収容されている。出入国管理法違反で有罪となり、公正な裁判を受ける権利を認められず、拘禁刑や鞭打ち刑となった人びとについてアムネスティは懸念している。最近、ビルマ(ミャンマー)からの68人の難民は、クアラルンプールのビルマ(ミャンマー)大使館前で平和的なデモ行進をした後に逮捕され、未だに拘束されたままである。
カンボジア政府は1951年難民条約の義務を十分に果たしていない。2001年以来、カンボジアに庇護を求めた何百人ものベトナム高地民は、政府による迫害が待つ本国に強制送還されている。
背景情報
ASEAN加盟国:インドネシア、タイ、フィリピン、マレーシア、ブルネイ、カンボジア、ベトナム、ラオス、ビルマ(ミャンマー)
毎年7月、ASEAN全加盟国の外相を集めた外相会議と、ASEAN全加盟国の外相、EU議長国(現在、英国)、米国務省代表、韓国、中国と日本の外相を集めた拡大外相会議が交互に開催されている。
カンボジアとインドネシアは移住労働者権利条約に署名しており、フィリピンは同条約を批准している。カンボジアは難民条約も批准している。
アムネスティ発表国際ニュース
(2005年7月26日)
AI Index: ASA 03/001/2005 (Public)
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