2024年12月7日(土)、声を上げて変化を起こす"PEOPLE POWER"を実践している和田彩花さん、劔樹人さん、浜谷安里さん(LOLOET Trois)、元イスラエル空軍兵のダニー・ネフセタイさん、袴田弁護団の戸舘圭之さんをお招きして、「世界人権デー2024『PEOPLE POWER!私たちは無力じゃない』」を開催しました。
アムネスティ・インターナショナルでは12月10日の「世界人権デー」を「人権のために行動する日」として、世界中でハガキ書きのイベント「ライティングマラソン」をはじめ、さまざまなイベントを開催しています。
会場は壁一面のガラス窓から太陽光が差し込む、おしゃれで開放的なラウンジ。参加者は挽きたてのコーヒーを楽しみながら、ときにリズムに合わせて体を動かしたり、戦争と平和について考えたり......朝のオープンから夜の交流会まで丸一日参加された方も!さまざまな年代の方が、人権についていっしょに考える貴重な機会となりました。
オープニングは「アムネスティ入門セミナー」
現役職員とボランティアが、アムネスティ創設秘話や主に取り組んでいる問題についてお話しし、「名前は聞いたことあるけど、何をしている団体なの?」と聞かれがちな私たちアムネスティについて理解を深めていただきました。その後、ボランティアチーム「良心の囚人ネットワーク」のメンバーが、アムネスティ伝統の「ライティングマラソン」の意義と歴史を紹介し、2024年に重点的に取り扱む9つの人権侵害のケースについて説明しました。会場の一角には手紙書きコーナーが設けられ、多くの方がボランティアメンバーのサポートを受けながら、命を救う手紙書きの輪に参加しました。
Music×Workshop Play for rights 体験
声を上げるアイドル和田彩花さんの所属するバンド「LOLOET Trois」が登場!「相手の提案に対して肯定し(Yes)自分も参加する(and)」という演劇の原則を取り入れた「Yes, and」体験演劇ワークショップを、「LOLOET Trois」のパフォーマンスと共に実践しました。今年の人権デーのテーマ「People Power」はアムネスティの理念でもあり、ひとりひとりの小さな力を集めて変化を起こす手法ですが、それには誰もが安心して参加できる関係構築が不可欠です。日ごろから社会問題に関心を持っているという参加者が30名近く集まり、講師の林拓郎さんのリードでリズムに合わせてどんどんアイデアを出し合うことで、心理的安全性をベースとしたコミュニケーションのあり方を体験しました。
非戦の声を上げ続ける元イスラエル兵 ダニー・ネフセタイさんのお話
元イスラエル空軍兵であるダニー・ネフセタイさんを講師にお招きし、イスラエルで兵役に就いたときの気持ちや日本に来てから平和について考えることになったきっかけ、大日本帝国と今のイスラエルの類似点、戦争と環境問題などについてわかりやすく語っていただきました。ダニーさんのお話を受け、アムネスティのユースメンバー4名が率直な感想や質問をぶつけ、意見交換をしました。「これからの若者、子どものための教育が大事」だというダニーさんの熱のこもったお話に、参加者のみなさんは深い感銘を受けていました。
袴田事件弁護団 戸舘圭之さんのお話
学生時代に袴田支援弁護団の小川弁護士の影響を受け、支援運動に参加したという戸舘圭之さん。自らも司法試験に挑戦し、弁護士となって袴田弁護団の一員となりました。袴田巖さんに無罪判決が言い渡された際、戸舘さんが中心となって立ち上げた、検察の控訴に反対するオンライン署名には、短期間で5万人以上の人が参加。最終的に検察は控訴を断念し、晴れて袴田さんの無罪が確定しました。えん罪と死刑との関係、死刑廃止を求める意義、弁護士としての活動と市民運動の活動の違いなどについて熱心な質疑が行われました。
2024年は、人権を守る世界的な動きを大きく後退させるようなできごとがいくつもありました。それでも、「私たちは無力じゃない」!すべての人の人権が守られる社会を願う参加者のみなさんの熱いエネルギーがあふれ、希望を感じさせる一日となりました。
開催日 | 2024年12月7日(土)11:30〜19:00 |
場所 | ワテラスサロン ワテラスコモン1階 |
主催 | 公益社団法人アムネスティ・インターナショナル日本 |