3月上旬に、名古屋入管の広報担当に「アムネスティ」の地元メンバーとしての参観希望を伝えてから、8月の下旬になってやっと実現した「参観」。年度末・年度初めは「難しい」とのことだった。国会において入管法が「改定」された6月14日後の、出入国在留管理庁が出した参観をめぐる細部にわたる「訓令」を巡ってのやりとりや、質疑応答がこの参観の一番の問題であり、入管側の姿勢を象徴するものとなった。
私自身も過去2回、名古屋入管参観の経験があったので、参観手続きの入り口である「参加者名簿」の提出をめぐってこれほど人権感覚から外れた対応をされるとは、驚いた。住所・氏名はもちろん、国籍・所属や職業・生年月日・電話番号まで事前に伝えないと参観を認めないとのこと。参観人数も10人と制約された。さらに、庁舎内の会議室の入室に際しては、身分証明書の提示まで求められた。
参観時間も1時間程度のことだったが、結局、出入国管理庁作成の紹介ビデオを観て、入管施設5階・6階の収容区域の見学が終わるまでが、1時間45分。その後の事前質問書への口頭回答と質疑応答でさらに1時間。2時間45分に及ぶ参観となった。
入管施設の参観が開かれたものとなるよう、参観者の詳細な個人情報を提供を前提とする「訓令」の改正無くして、入管行政全体の改善は困難だと指摘したい。
文責:中島正人(アムネスティ日本 わやグループ)
開催日 | 2024年8月21日(水) |
場所 | 名古屋出入国在留管理局 |
主催 | 公益社団法人アムネスティ・インターナショナル日本 わやグループ・なごや栄グループ |