7月8日(金)、今年第2回目となるカフェ&バーを開催しました。テーマは現在、アムネスティが世界中でキャンペーンを実施している「ドミニカの国籍を失った子どもたち」です。当日は、ワインやコーヒーを飲みながら10名の参加者と多様な視点から和気あいあいと議論を交わすことができました。このイベントを企画した、インターンの山口が報告します。
なぜ、今、ドミニカの子どもたちの国籍が奪われているの?
「勉強したくても、国籍がなくて、学校に通えないのはとても悲しい」身分証明がなくて進級試験を受けられない14歳のジェシカ
まず始めに、ドミニカでどうして国籍が奪われている子どもたちがいるのか、アムネスティ日本のキャンペーン・コーディネーター、 山口からその背景についての説明がありました。
ドミニカにはハイチ系の住民が大勢暮らしています。その背景には、1940年代に、ドミニカ政府がサトウキビ農園で働く安い労働力を得ようと、積極的に移住を呼びかけたことがあります。これまで、ドミニカで生まれた人たちには、親が外国人であっても、非正規移住者であっても、1929年の憲法によって自動的にドミニカ国籍を認められていました。
しかし、2013年に憲法裁判所が外国籍の子孫に対して自動的な国籍取得を認めないことを決定し、しかも、それを1929年までさかのぼって適用すると決めました。該当する人の大部分は、ハイチ系の人たちでした。今までドミニカ人として認められていたのに、多くの人がその身分を突然失ったのです。ジェシカさんもその一人です。
国籍とは、個人が特定の国の構成員であるための資格のことです。人は、所属する国から保護を受け、さまざまな権利を与えられます。国によっては別の形で身分を保障する場合もありますが、ドミニカでは国籍がないと、社会制度上、その人は存在しないことになります。学校に行くことも仕事に就くことも、医療保険や年金制度に加入することもできないのです。選挙で投票もできません。
日本にいる私たちにできること
「国籍がなくなると、どういう問題が起きてしまうの?」
「日本にいる私たちに何ができるの?」
山口の説明に、参加者一人ひとりが真剣に耳を傾け、中には熱心にノートを取る人も。その後、「私たちにできること」について、参加者みんなで一緒に話し合いました。ドミニカで働いていた元JICA職員の方や海外での暮らしが長い方、学生など、さまざまな経験をもった参加者と共に、多様な視点から和気あいあいと議論を交わすことができました。
日本からドミニカへ届けた応援メッセージ
そして、最後に、参加者それぞれがドミニカの子どもたちに応援のメッセージを届けるために、ポスターを製作!また、写真や動画などでも声を届けました。参加してくださった皆さま、ありがとうございました!
開催日 | 2016年7月8日 |
開催場所 | アムネスティ日本・東京事務所 |