1月25日、新たな形の「人権デー」企画として、「名古屋ラテンパーティー2015 サルサ×人権×難民」を開催しました。当日は75名の方にご参加いただき、大盛況のうちに終えることができました。
このイベントを企画・主催した、アムネスティ日本 わやグループ(名古屋) 松田からのご報告です。
裾野を広げたい!サルサ×人権×難民
12月10日の「世界人権デー」に合わせて世界中で人権に関するイベントが開催され、ここ名古屋でも地域で活動するさまざまな団体が集まって、人権デーイベントが行われてきました。
日本一、中南米出身の住民が多いこの東海地域で、「多文化共生」と彼らの存在は、私たちにとって切っても切り離せないものです。中南米では、音楽は空気のようなもので、人びとはみな、思い思いに音楽や踊りを楽しんでいます。そして現地で広く愛されているのが、「サルサ」と呼ばれるダンスです。私も趣味でサルサを踊っていることもあり、「東海地域でこんなに素敵な彼らの文化に触れないのはもったいない!」という思いを持っていました。
「みんなが気持ち良く生きていくための活動」と、この地域に多く暮らす南米出身の方の文化。大切で、素敵なこの2つのことの裾野を広げたいという思いから、このイベントは生まれました。
『多様性』&『人と人とがつながるコミュニケーション』
「サルサ、人権、難民がどうつながるのか。それは最後までご参加いただければお分かりになると思います。『多様性』と『人と人とがつながるコミュニケーション』が、このイベントのキーワードです!」司会を務めて下さった小池康弘先生(愛知県立大学教授/ラテンアメリカ地域研究)のそんな投げかけでイベントは幕を開けました。
初めに、ビルマ難民のココラットさんによるお話があり、次にルエダミニパフォーマンス×ミニレッスン、そして最後にサルサライブが行われました。
ビルマ難民のココラットさん(ビルマ民主化支援会)のお話
昨今、民主化や経済交流などの報道が多く聞かれるビルマ(ミャンマー)。しかし、依然としてタイの難民キャンプや日本を含めた第三国で、多くのビルマ難民が暮らしています。「難民認定が私たちのゴールではありません。私たちの本当のゴールは、平和になった自分たちの故郷に帰ることです」と語る、自らも政治難民であるココラットさん。さらに、こんな体験も語ってくれました。「高校生の頃、外国のダンスを踊っていたら、警察に捕まったことがあります。私たちはこれから南米の ダンスであるサルサを踊りますが、自由と人権がなければ、踊ることもできません」これらの言葉は、その場にいた人の心に深く刻まれたのではないでしょうか。
ルエダミニパフォーマンス×ミニレッスン(NPO法人日本ルエダ協会×チャーリー)
ルエダとは、輪になって踊るサルサのことです。インストラクターのチャー リーさんのユーモアたっぷりのレッスンで、ちびっこからおじいちゃんおばあちゃんまで、日本人も外国人もみんなで手を取り合ってスタッフ含めて約100名がひとつの輪になって大笑いしながら踊りました。
サルサライブ(Conjunto Domestico:コンフント・ドメスティコ)
最後に、名古屋に拠点を置くサルサバンドによるライブがおこなわれました。 「上を向いて歩こう」や「Let It Go(アナと雪の女王)」などのサルサバージョンにのせて、カッコ良くペアダンスを踊ったり、持参した楽器を叩いたり、覚えたばかりのステップを踏んだりと、皆さん思い思いに楽しんでいました。
最後に・・・
アンケートからは「ココラットさんのお話を聞き難民に対する理解が変わった」、「自分が何をできるのか常に問いかけていきたい」というお声や、「もっとサルサを踊ったり、ライブを聴きに行きたい」、「みんなでサルサを 踊れば、争いごとなんて起きないのに。一日でも早く平和な世の中が来ることを切に願います」など、たくさんのお声をいただきました。
多様な背景を持つ皆さんが、世代や国籍の垣根を越えて手を取り合い、「人権」や「難民」に思いを馳せることができました。ご協力いただきました皆さまに心より感謝申し上げます。
開催日 | 2015年1月25日(日) |
開催場所 | 名古屋YWCAビッグスペース |
主催 | アムネスティ日本 わやグループ/名古屋難民支援室 |
後援 | 名古屋NGO センター/ ニカラグアの会 |