- 最新情報:
- 2020年2月 5日 (stop情報)
- 更新履歴:
- 2018年8月23日
- 国名:
- ベトナム
- 対象者:
- チャン・ティ・ガー(女性)
- 期限:
- 2020年3月 5日
- 配信日:
- 2018年8月23日
- UA No:
- 155/2018
人権擁護活動家のチャン・ティ・ガーさん(通称トゥイ・ガー)が、別の囚人から激しい暴行を受け、殺害をほのめかす脅しをかけられている模様だ。8月17日、夫に切羽詰まった様子で電話をしてきた。彼女に罰を加えたい刑務所側の画策で、他の囚人をけしかけたと思われる。チャン・ティ・ガーさんは、表現と平和的な集会の自由の権利を行使しただけで1年半以上も拘束されている「良心の囚人」であり、即時、無条件に釈放されなければならない。
2016年、台湾系製鉄工場が引き起こした海洋汚染により、全土に大きな社会運動が起こった。その抗議デモに昨年1月に参加したチャン・ティ・ガーさんが、逮捕された。容疑は、「国の利益に反するプロパガンダ行為」だった。同月末、実刑9年と自宅軟禁5年を言い渡された。
今年2月、自宅から1300㎞も離れた刑務所に移され、家族が面会することも難しくなった。遠隔の刑務所への収監は、当局が良心の囚人に対してよく使う手口だった。さらに、当局は、頑なに罪を認めない彼女に、家族との面会を繰り返し認めなかった。また、1年半以上におよぶ収監中、彼女は夫に一度も会えず、子どもたちに2回会えただけだった。
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追加情報
チャン・ティ・ガーさんは、かつて人身売買の被害者だったことから、人身売買の廃止に向けた活動を始めた。以来、幅広い社会問題に取り組んできた。長年の活動の中で、何回か脅迫や襲撃を受けた。2014年5月には、警察官に暴行され、腕と足を骨折した。
2016年、ベトナムの中部沿岸で台湾系企業フォルモサ社の工場が、廃液による大規模な海洋汚染を引き起こした。この汚染で、数十万トンの魚が大量死し、漁業が深刻な打撃を受け、数百万人が職を失った。ベトナム政府の不十分な対応に対して、全土で怒りの声が上がり、ハノイとホーチミン市では、人々が街頭での抗議行動に繰り出した。
多くのデモ参加者が、警官から暴行された上、拘束された。その後数カ月間で、およそ40人の活動家が逮捕された。また、少なくとも10数人がタイに逃れ、亡命を申請した。
ベトナムには、チャン・ティ・ガーさんを含め、良心の囚人と思われる人たちが94人いる。東南アジアの中でもベトナムは、とりわけ多数の罪なき活動家を投獄している。表現の自由や平和的集会の権利を行使して投獄された人たちは、特に環境が劣悪で処遇も過酷だ。
国際人権法では、隔離拘禁、長期間の独房、暴行、医療措置の意図的はく奪など、刑務所での虐待的行為は、全面的に禁じられている。しかし、ベトナムでは、これらの行為がごく日常的に行われている。
- 最新情報:
- 2020年2月 5日 (stop情報)
- 更新履歴:
- 2018年8月23日
- 国名:
- ベトナム
- 対象者:
- チャン・ティ・ガー(女性)
- 期限:
- 2020年3月 5日
- 配信日:
- 2020年2月 5日
- UA No:
- 155/2018
反政権宣伝行為をしたとして2017年に、実刑9年を受けて服役していた人権擁護活動家のチャン・ティ・ガーさん(通称トゥイ・ガー)が1月9日、予期せず釈放されました。ただ、国外への出国という条件付きです。その後、家族3人とともに米国に無事入国できました。本人と家族の新たな人生の始まりです。
チャン・ティ・ガーさんが逮捕されるきっかけは、2016年に社会問題になった台湾系製鉄会社による海洋汚染に抗議する運動にかかわったことでした。それまでも、移民労働者、避難民などの権利の擁護や、環境権運動にも積極的にかかわり、常に当局に目を付けられ、しばしば、嫌がらせや脅迫、暴行などを受けていました。
投獄後の翌年、2018年2月からは、自宅から1300㎞も離れた刑務所に移されたため、家族との面会もままならず、心身ともに疲弊したといいます。
釈放後、アムネスティにメッセージを送ってくれました。
「私の釈放のために根気強く訴えてくれたアムネスティには、ほんとうに感謝しています。今、家族と平穏な生活を取り戻しつつあります。ただ、今もベトナムには、不当に投獄されている人たちが沢山います。そういう人たちが自由を取り戻せるよう、これからもぜひ、活動を続けてください」
このUAに関するアクションは、これで終わります。要請文を送付してくださったみなさまに深く感謝いたします。ありがとうございました。
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