2017年5月、24歳のポピ・クワベさんと28歳のボンゲカ・フングラさんは、夜に外出するためクシーを呼びました。2人はそれきり戻らず連絡もなかったため、家族は病院や警察署を必死に探しました。そして彼女たちが無残に撃ち殺されて、道路脇に捨てられていたことを知ります。性的暴行を受けた可能性もあります。
2人の血痕や所持品が残されたタクシーが見つかり、タクシー運転手2人が逮捕されました。運転手は彼女たちの携帯電話や口紅などを持っていましたが、社内で拾っただけだ、2人が乗っているときに強盗に襲われ飛び降りたと主張しました。血液鑑定の結果は公表されず、警察は証拠不十分で男たちを釈放し、事件のさらなる捜査が行われるまで起訴は取り下げられました。
ポピさんとボンゲカさんの死から3年が経ちますが、徹底した捜査は行われていません。残念ながら、こうしたケースは珍しいことではありません。南アフリカ政府によると、同国では女性が3時間ごとに1人殺されています。しかし、裁かれることはほとんどないのです。
ポピさんとボンゲカさんの死について、徹底的に捜査し、起訴に十分な証拠を収集するよう、警察に要請してください。
ポピさんとボンゲカさんの事件は、南アフリカで頻発する女性への暴力・殺人を象徴しています。こうした事件では適切な捜査は行われず、起訴もありません。2019年、シリル・ラマポーザ大統領は、南アフリカにおける女性への暴力を国家的危機と宣言し、南アフリカは女性にとって世界で最も危険な場所であると述べました。アフリカを代表するファクトチェック団体「アフリカ・チェック」によると、警察が記録した2018-19年度の女性に対する接触犯罪件数は179,683件に上ります。女性への性的暴行は36,597件ありました。また、2,771人の女性が殺害され、さらに3,445人が殺人未遂の被害に遭いました。
2019年、南アフリカの女性たちの怒りがついに爆発します。大学生のウイネネ・ミルウェティアナさんの殺害をきっかけに、何千人もの南アフリカの女性が街頭を行進し、増える一方の女性への暴力に取り組むよう、政府に要求しました。
「不平等な社会では、伝統的な家父長制がいまだに幅をきかせています。圧倒的な男性優位が性の格差を生み出し、女は男に従属するものだとされ続けているのです。女性への暴力の連鎖は、断ち切ることができます。社会が生み出したものなのですから」(ポピさんの妹)
期 間: | このアクションは終了しました。(2020年11月30日-2021年1月末日) |
要請先: | 南アフリカ共和国 警察大臣 |