米国のコロンビア大学に通う大学院生でパレスチナ人活動家のマフムード・ハリールさんは3月8日、移民・関税執行局(ICE)により突然逮捕・拘束されました。イスラエル軍によるガザ地区での大量虐殺に抗議し平和的な学生デモに参加したためです。米国では「反ユダヤ主義」と闘うことを政策に掲げる政府により、イスラエルを批判する学生や大学での行動が標的にされています。
ハリールさんは米国の合法的な永住権保持者ですが、永住権の剥奪と強制送還の危機にあります。通常、永住権の取り消しには、重大な犯罪を犯した場合や移民裁判所での審理といった手続きが必要ですが、マフムードさんには犯罪歴はありません。しかし、政府はめったに使われない法律を持ち出して、彼を追放しようとしています。
平和的なデモに参加したことで拘束され、永住権が奪われ、国外追放されることがあってはなりません。マフムードさんの釈放と永住権剥奪の撤回を求めて、一緒に声をあげてください!
期 間: | 2025年4月23日~5月末日(予定) |
要請先: | 国土安全保障省 クリスティ・ノーム長官 |
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マフムード・ハリールさんは、コロンビア大学内のガザ連帯キャンプで積極的に活動し、大学との交渉や記者会見も行ってきました。彼は米国の合法的永住者であり、米国市民の妻には、4月には第一子が生まれる予定です。
通常、合法的永住者の永住権が取り消されるのは、裁判所での審理の結果、2件の道徳的腐敗罪または1件の重大犯罪による有罪判決を受けた場合です。しかし、ハリールさんには犯罪歴がなく、過去の抗議活動中にも逮捕されたことはありません。それにもかかわらず、米国政府は「外交政策上の悪影響」を理由に、まれにしか適用されない連邦法第8編 USC 1251を用いて、彼を国外追放しようとしています。
3月12日、ニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所で人身保護請願に関する審理が行われました。弁護団は、ハリールさんが拘束されて以来、弁護人と一度も個別面会ができていないと指摘し、移民局の対応が違法であると訴えました。そして、ニューヨークへの送還と即時釈放を求めました。彼の入国管理局での意見聴取は3月25日にルイジアナ州で行われる予定ですが、現在収容されている施設は、虐待や劣悪な環境、不十分な医療で問題視されてきた場所です。
国土安全保障省は、彼の拘束と国外追放が、反ユダヤ主義に関するトランプ大統領の大統領令に基づく措置であると説明しています。この大統領令は、ユダヤ教徒の学生が学校で迫害にあっているとして、関連機関に実情調査と対応の強化を命じたものです。アムネスティ・インターナショナルはすでに、この大統領令が学生の平和的集会の権利や表現の自由を侵害していると批判してきました。戦争犯罪に抗議し、パレスチナ人の人権を求めることを反ユダヤ主義と混同したり、デモに参加する学生を国外退去の対象としたりすることで、表現の自由が萎縮することが懸念されています。