高智晟(こうちせい)さん
Gao Zhisheng
2001年には中国政府発表の「弁護士トップ10」に上げられた弁護士

(c)AI 高智晟さん
人権弁護士の高智晟さんが行方不明になっています。高智晟さんは2009年2月4日未明、陝西省の親族宅にいたところ、治安部隊と思われる乱入した十数人の集団に強制的に連れ去られました。その兄・高智義さんは弟を探すために、生計を立ててきた農業の仕事をやめ、北京を訪ねました。しかし、公安当局は智義さんが提出した高弁護士の行方不明届を受け付けませんでした。
はなればなれになった家族
高智晟さんの妻・耿和さんは4月6日、米国ニューヨークで記者会見を開き、中国での警察監視下、3年におよぶ自宅軟禁生活、脱出の経緯や高智晟さんの現状などを明らかにし、国際社会による救援を呼びかけました。耿和さんは、「妻として、私は中国に留まっている夫を支えてあげたかったのですが、ほかの選択肢はありませんでした。子どもたちのために、国外に脱出するしかありませんでした」と涙をこらえながら話しました。
勇気ある弁護士、その活動ゆえの逮捕、拷問

(c)AI 同じ弁護士である陳光誠さんの支援活動をする高智晟さん(右)
高智晟さんは、2006年2月に北京で、他の人権活動家数人が人権侵害により窮地に立たされていることに注意を喚起するため、ハンガー・ストライキによる抗議活動を呼びかけたことや、宗教の自由、法輪功に対する暴力的迫害の中止を求めた公開書簡を発表したことなどにより、2006年12月、[国家政権]転覆煽動罪で有罪の判決を受けました。政府当局は、彼の弁護士事務所「晟智律師事務所」の活動を停止させ、彼の弁護士免許を剥奪しました。裁判所は、懲役3年の刑については、通常と異なり、5年間の執行猶予をつけました。
高智晟さんは、その後もしばしば不当に秘密の場所に拘禁され、激しく殴打され、性器への電気ショック、火のついたタバコを目に長時間近づけられるなど、治安部隊による長期間にわたるひどい拷問を受けていました。自宅監禁中も、高智晟さんは自宅に入り込んだ警察により電気警棒で打たれて、やむを得ず彼の子供の正面で地面の上に投げられた食物を食べていたとされます。 高智晟さんの子供は学校に通うのを阻まれていました。