- 2017年7月13日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:日本
- トピック:死刑廃止
7月13日、2人が死刑に処された。繰り返される死刑執行が、生きる権利を無視する日本政府の姿勢を際立たせている。
今年に入って初めての執行であり、2012年からの現政権下で19人目となった。
一人は、大阪拘置所で執行された西川正勝さんで、1991年と1992年に4人を殺害した。朝日新聞によると、容疑の一部は身に覚えがないとして、再審請求をしていた。もう一人の住田紘一さんは、広島拘置所で執行された。2011年に殺人を犯して、その後死刑が確定していた。
執行は、人命を顧みない日本政府の冷酷さを示す。死刑は、もっとも残虐で非人道的な刑罰である。死刑では、決して正義を果たせない。
日本では死刑執行はベールに包まれている。世界の趨勢は死刑廃止に向かっており、日本は、その歴史の流れに逆行している。
7月1日にはモンゴルが、例外なく死刑を廃止する105カ国目の国となった。
法務省の数値にもとづくと、現在の死刑確定者数は124人だ。
秘密裡の執行
日本では死刑の執行は、秘密裏に行われる。本人が執行を知らされるのは通常、数時間前だが、通告されないこともある。家族や弁護士、一般の人たちは通常、執行後、その事実を知らされる。
秘密裏の執行は、死刑の国際基準に反する。死刑判決を受けた者に対する法的保護措置の欠如と秘密裏の執行に問題があることは、国連の専門家から頻繁に指摘されてきた。
例えば、死刑判決を受けた被告が十分な弁護を得られないこと、あるいは必要的上訴制度がないことなどだ。精神障がいや知的障がいがある者が処刑されたことも何度かあった。
アムネスティは、犯罪内容や状況、有罪・無罪、犯罪者の特質、執行方法などに関わらず、いかなる場合も例外なく死刑に反対する。死刑は生きる権利の侵害であり、最も残虐で非人道的かつ品位をおとしめる刑罰である。
アムネスティ国際ニュース
2017年7月13日
※死刑執行抗議声明における「敬称」について アムネスティ日本は、現在、ニュースリリースや公式声明などで使用する敬称を、原則として「さん」に統一しています。また、人権擁護団体として、人間はす べて平等であるという原則に基づいて活動しており、死刑確定者とその他の人々を差別しない、差別してはならない、という立場に立っています。そのため、死刑確定者や執行された人の敬称も原則として「さん」を使用しています。
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