トルコ:クーデター未遂の後、人権が危機的状況に

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2016年7月20日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:トルコ
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トルコで7月15日に起きたクーデターは未遂に終わったが、その後の人権状況は極めて危機的な状況にある。この事件で、少なくとも208人が死亡し、およそ8,000人が逮捕された。複数の政府関係者が、クーデターに関わった者の処罰に死刑の復活を提案している。また、アンカラとイスタンブールで拘束されている多数の人びとが、人権侵害を被っているという報告を受け、アムネスティは現在その事実を確認している。

クーデターを企てて武力で市民を恐怖に陥れ、国際法違反の殺害や人権侵害に関わった関係者は、法の裁きを受けるのは当然である。しかし、政府が、反体制派の弾圧を強化し、死刑を復活させるのは、筋違いだ。

アムネスティは、今後の捜査や取調べに際し法の支配を尊重して自制を示し、犯罪容疑者に公正な裁判を認め、確かな証拠がなければ釈放するよう、トルコ当局に求める。

当局によれば、今回のクーデター未遂事件で、208人が殺害され、1,400人以上が負傷した。犠牲者には、当局がクーデターの計画者とする24人も含まれ、武器を持たずに降伏しようとしているとき殺害された者もいた。市民も犠牲になった。彼らは、タイイップ・エルドアン大統領の抗議の呼びかけに応じて屋外にくり出し、戦車やヘリコプターに立ち向かって、命を落とした。

クーデターの数日後、政府は、軍、司法、内務省で徹底した粛清を行った。クーデターを画策したとして7,543人が拘束され、警察官7,000人が停職処分を受けた。裁判官と検事全体の5分の1弱にあたる2,700人が解任され、裁判官450人も拘束された。

大統領と政府当局者は、クーデターの試みに関与した者への処罰として死刑復活の可能性に言及しており、これは深刻な問題である。死刑復活はトルコも加盟する人権規約や同国憲法が掲げる保障への侵害となる。

同様の対応が、ジャーナリストや市民団体の活動にも適用される恐れがある。この数カ月、政治活動家、ジャーナリスト、国の政策の批判者らは、しばしば弾圧の対象となってきた。報道機関は管理下に置かれた。

トルコ政府にとって、クーデター計画者が顧みなかった人権と法の支配の尊重が、かつてないほどに重要である。

アムネスティ国際ニュース
2016年7月18日

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