- 2015年7月 2日
- [その他]
- 国・地域:日本
- トピック:
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法務省は、外国人の入国・在留の管理に関する施策の基本計画案を発表し、意見の募集を始めました。しかし、この第5次案では、外国人の人権が制限されるおそれがあります。人権に配慮した国づくりのため、ぜひ意見を直接法務省へ送ってください。
また、期間は1カ月のみとなっています。できるかぎり多くのみなさんへ、意見を法務省へ送るよう、呼びかけてください。
注意:アムネスティ宛でなく、法務省宛でお願いします。方法は下記参照
第5次出入国管理基本計画(案)でアムネスティが懸念しているポイント
- 我が国経済社会に活力をもたらす外国人の円滑な受入れ(案1)
- 新たな技能実習制度の構築に向けた取組(案3)
- 安全・安心な社会の実現に向けた水際対策及び不法滞在者対策等の推進(案6)
- 難民の適正かつ迅速な庇護の推進(案7)
- その他(案8)
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東京オリンピック・パラリンピック関連で緊急かつ時限的措置として、建設分野における外国人の受入れ実施が決定されている。しかし、短期的な労働者確保によって、外国人労働者が搾取されやすい状況に置かれるおそれがある。管理体制強化だけでなく、運用状況において人権保障の観点を入れることが必要である。
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技能実習制度の現状は、安価な労働力の確保になっていると繰り返し報告されている。不適切な管理団体や実施機関がある現状は、法務省も認めているところである。通報制度の整備や罰則規定が本計画で提案されているが、事後的な対応策だけであれば、実習生が搾取されやすい制度的構造に対する根本的な解決にはならない。実習生の権利保障の対策がしっかりと講じられ、本来の目的に沿った運用が徹底されるまで、安易に対象職種を拡大したり、実習期間を延長したりすべきではない。
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入国管理局の個人識別情報を活用した上陸審査について、顔写真の水際対策への活用等新たな技術の運用を検討するというが、治安の維持を盾に個人情報を転用することは、人権侵害の可能性があり得る。
また、外国人収容施設における被収容者の処遇については、収容は最終手段でなければならず、無期限の収容をただちに止めるべきである。
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難民認定手続きは、国際法と難民条約の基準に合致した、公正かつ効果的で透明性のある方法で行わなければならない。計画案においては、適正かつ迅速な取組が優先され、人権保護の観念が欠けている。申請者の事前振り分けや再申請の制限は、庇護希望者にとっての弊害が大きい。また、再申請を含む濫用的な申請について申請権を制限し、申請中でも送還を行う検討を進めることは、ノンルフールマンの原則に反する。
- その他として、人身取引被害者について配慮を述べているが、被害を踏まえた在留資格の許可により被害者の保護を行うという点についてより具体化すべきである。被害者認知については、年間の認知数が潜在的被害者よりはるかに少ないと繰り返し指摘されている。そのため、被害者の認定がより適切に行われるように十分な対策を講じるべきである。また、性的搾取だけでなく、労働搾取の観点では、技能実習制度の見直しとともに保護を考慮すべきである。
意見提出される場合は、個人のご意見のほか、上記のポイントをぜひお伝えください。コピーされてもかまいません。
意見提出の方法・注意点 ※法務省へ直接送ってください。
- 提出方法は、郵送、メール、ファックス、意見提出フォームのみ
- 個人の氏名、住所を記載(内容に不明な点があった場合に法務省から連絡あり)
- 日本語のみ
提出先
【郵送】〒100-8977 東京都千代田区霞が関1-1-1 法務省入国管理局総務課企画室 御中
※封筒に赤字で「パブリックコメント(第5次出入国管理基本計画)について」と記載すること
【電子メール】kikaku-seisaku.pabukome@moj.go.jp
※必ず本文にテキスト形式で記載すること
※件名「パブリックコメント(第5次出入国管理基本計画)について」と記載すること
【FAX】03-5511-7212 法務省入国管理局総務課企画室 御中
※件名「パブリックコメント(第5次出入国管理基本計画)について」と記載すること
【電子政府の総合窓口(意見提出フォーム)】パブリックコメント:意見募集中案件詳細
締切
2015年7月25日(土)18時15分(必着)
基本計画の資料
右記リンクよりご参照ください。パブリックコメント:意見募集中案件詳細
この件に関するお問い合わせ
意見募集に関して:法務省入国管理局総務課企画室 電話:03-3580-4111(内4330)
※アムネスティ・インターナショナル日本としては、後日意見を提出予定です。会員の方は、個人としてご提出ください。
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