- 2015年5月30日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:ペルー
- トピック:
ペルー当局は過去数週間で、同国南部の鉱山開発事業に反対するデモを鎮圧している。死亡者まで出しており、その再発が懸念される。当局は今後、デモを弾圧してはならない。
4月下旬以降、ティア・マリア鉱山開発計画に抗議するデモで警察官を含む4人が死亡し、数百人が負傷している。当局は5月22日に起きた死亡事件を受け、同地域に非常事態宣言を発令し、軍を派遣した。
これから数日中に抗議活動が再び計画されているが、当局は参加者が当局から暴力を受けることなく、平和裏に懸念を言えるよう、全力を挙げなければならない。
これまでに発生した死亡事件は受け入れがたく、関与した者には説明責任がある。死が抗議活動の代償であってはならない。
5月22日、デモ参加者が封鎖した道路脇の露店で働いていたラモン・コルケさんが、流れ弾に当たって死亡した。
4月下旬の衝突以降、コルケさんのほか、警官と別の男性の計3人が死亡している。
ペルー南部のイスライ郡には、ここ数週間で鉱山開発に反対する人たちが抗議のために集結している。参加者は、鉱山が周囲地域に与える悪影響、とりわけ水源の汚染を不安視している。
事業を統括する鉱山会社サザン・ペルー・コッパー社は、影響を受ける地域住民と協議するために60日間の操業停止を呼びかけた。しかしこの措置にも関わらず、抗議者と警察との衝突は続いている。
鉱山開発をめぐる対立が拡大する中、こうした抗議活動はそれぞれ単独ではなく関連がある。当局は事業の初期段階で、周辺住民が必ず協議に参加し、計画内容の説明を受け、不安を述べる機会を持てるようにすべきであった。
アムネスティは、抗議が平和裏に行えるように求めている。一部の参加者の暴力を根拠に、集会の権利を規制すべきではない。
残念ながら治安部隊による暴力は、今回が初めてではない。過去4年間だけでも、警察が武力を過剰に行使したとみられる状況で40人近くが亡くなっていた。しかも、これらの大半は、適切な捜査が行われなかった。
アムネスティは、今後の抗議活動に対する警察の対応を注視し、当局に対しても同様の注視を要請する。いかなる理由でも、治安部隊は不必要かつ過剰に武力を行使してはならない。
背景
国際人権法および人権基準は、必要不可欠で、合法的な目的に合致する場合のみ、警察などの治安機関による武力の行使を認めている。生命や身体への重大な危害が差し迫っている場合の最後の防衛手段としてのみ銃火器の使用を認め、死に至らしめる銃火器の故意の使用は、命を守る上でどうしても不可避な場合のみとしている。
アムネスティ国際ニュース
2015年5月26日
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