- 2014年11月20日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:中国
- トピック:
北京の紫禁城・天安門前で警備に立つ中国の兵士 (C)Kevin Frayer/Getty Images
アムネスティが得た情報によると、広州南部在住の活動家、王黙(Wang Mo)さんが香港の抗議行動を支持したことで、「国家転覆扇動罪」で起訴されていることがわかった。当局は、香港の抗議に関わる活動家への弾圧を強化しているとみられる。
弁護士によると、王さんは11月17日、正式に逮捕された。有罪判決が出れば、5年以上の懲役刑が科される可能性がある。
王さんは、「南方街頭運動」(※)の中心的人物で、インターネット上でも活発に活動してきた。最近、他の活動家3人と香港の民主派抗議の支持を表明した横断幕を持っている写真を撮られた。
香港の抗議行動を支援する活動家への嫌がらせは恥ずべきことだが、王さんに対する「国家転覆扇動」という重罪は、ただならない展開である。他の多くの支援者たちに対しても同様の重罪で起訴する動きが一挙に始まる恐れがある。
9月26日に香港の抗議行動が始まって以来、中国本土では100名以上の活動家が拘束されてきた。少なくとも33名がいまだに拘束されていると思われる。
王さんと同様に、多くは当初「挑発混乱引起」という比較的軽い容疑で拘束されている。王さんとともに写真に写っていた孫立勇(Sun Liyong)さんは11月初めに釈放されたが、謝文飛(Xie Wenfei) さんと孫涛(Sun Tao)さんは、いまだに拘束されている。
ネット上に、支援メッセージと連帯を示す剃髪をした写真を載せたり、抗議行動に参加しようと香港入りを計画した人たちが拘束されている。他にも多数が、当局から尋問のため呼び出された。
中国の検閲機関は、民主派の抗議運動の写真や好意的なコメントのネット掲載をすべて排除しようとしており、テレビや新聞には、政府が許可したニュースやコメントのみ報じることを認めている。BBC(英国放送協会)のサイトの閲覧や写真共有アプリのインスタグラムの使用は10月来、禁止されている。
※南方街頭運動:「ネットから広場へ」との理念のもと、街頭でプラカードを掲げるなどの方法で意見を表明する運動。中国南方の広州や深圳から始まった。
アムネスティ国際ニュース
2014年11月17日
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