- 2014年11月 6日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:コンゴ民主共和国
- トピック:地域紛争
10月30日の夜、武装グループADFの攻撃で民間人18人が死亡し、7人が重傷を負ったと伝えられる。(C) AFP/Getty Images
コンゴ民主共和国では反政府武装勢力による攻撃があちこちで起きており、10月の1カ月間で100人を超える民間人が命を落とした。国連の平和維持部隊とコンゴ当局は市民を守るために、直ちに行動をとらなければならない。
直近では10月30日の夜、同国東部の都市ベニから75キロほど離れた村で、民主同盟軍(ADF)の攻撃があった。この攻撃で18人の民間人が殺害され、7人が重傷を負ったと伝えられる。
10月17日にはベニ地域の別の村で、少なくとも21人が殺され、6人が誘拐された。さらに2人が、それ以前の攻撃で負った傷で亡くなった。報告によると、ADFによる同様の攻撃は、他の村々でも行われている。誘拐や民間人の財産の破壊・略奪行為もあるようだ。
状況を監視していた複数の市民団体は、10月に入ってからADFによって、ベニ地域で100人以上の民間人が殺され、27人が重傷を負い、10人が誘拐されたと報告している。使われた武器は、銃やなた、斧、クワなどだ。
ADFをはじめとする武装勢力は、市民に対するこうした違法な攻撃を中止すべきであり、コンゴ当局と国連平和維持部隊は、危険にさらされている市民の保護を保証する必要がある。
ADFなどの武装勢力によるベニ地域での民間人への攻撃は、国連の平和維持部隊(国連コンゴ民主共和国安定化ミッション・MONUSCO)の支援を受けてコンゴ当局が2014年1月に開始した軍事作戦に関連していると考えられる。反政府勢力は、このソコラ1作戦(リンガラ語で浄化作戦の意味)によって拠点である森から追い出されたが、再び結集し、市民を恣意的に殺害・誘拐する攻撃に打って出ているようだ。
市民に対する違法な殺害と誘拐が、罰を受けずに見逃されることはあってはならない。コンゴ当局は徹底的な調査を中立の立場で直ちに行い、加害者が確実に裁かれるようにしなければならない。
コンゴ当局とMONUSCOは、10月から増大している暴力を、警告と受け止めなければならない。押し寄せる攻撃を阻止するために、あらゆる手立てを講じるべきである。
同時にADFの指導者らに対し、市民への攻撃は国際人道法の重大な違反であり、グループのメンバーが犯した人権侵害の責任を問われるのは指導者なのだということを、明確に伝える必要がある。
アムネスティはADFとコンゴ軍の双方に国際人道法を守るように要請し、両者とMONUSCOに対して、確実に市民を保護するよう求めている。
アムネスティ国際ニュース
2014年10月31日
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