- 2014年8月12日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:イスラエル/被占領パレスチナ地域/パレスチナ
- トピック:地域紛争
アムネスティは、イスラエル、ハマス、パレスチナ武装グループによる、戦争犯罪をはじめとする国際法上の罪の動かしがたい証拠を集めてきた。(C)EPA/ANP/TOUSSAINT KLUITERS/lln mda
国連安保理とパレスチナ自治政府、イスラエルは、現在までのイスラエル・パレスチナ紛争における戦争犯罪と人道に対する罪に責任のある人びとを国際刑事裁判所(ICC)で裁くため、自らの権限の及ぶ限り、あらゆる手段を尽くさなければならない。
7月8日以来、現在の戦闘で1400名余りのパレスチナ人が殺された。国連によると、その大多数は少なくとも252名の子どもを含むパレスチナ民間人だった。イスラエルでは3名の民間人が、ガザから発射された無差別のロケット弾と迫撃砲弾によって殺された。また、61名のイスラエル軍兵士も殺された。紛争の全当事者によって戦争犯罪がなされたという証拠が積み上がっている。
この数十年の間、アムネスティは、イスラエル、ハマス、パレスチナ武装グループによる、戦争犯罪など国際法上の罪の、動かしがたい証拠を集めてきた。しかし、双方の加害者たちは責任を免れてきた。
戦争犯罪および人道に対する罪の犠牲者に対して続く不正義は、世界に重くのしかかる恥である。またもや国際社会は、この戦闘に対してほとんど何もせず手をこまねいているだけである。
アムネスティ・インターナショナルは8月1日、国連安保理宛の公開書簡において、加盟国に対し、この危機に対処するために包括的な武器禁輸措置を科すなどの行動を取るように要請した。特にイスラエルと被占領パレスチナ地域における事態をICC検察官に付託する手続きを直ちに講じるよう求めた。
国連安保理は、イスラエルおよび被占領パレスチナ地域における違反行為に対処し、その加害者に責任を問うための効果的な行動を繰り返し怠ってきた。その大きな理由は、米国がイスラエルに批判的な決議に対し何度も拒否権を行使してきたからだ。米国のみが拒否権を発動したこともあった。
アムネスティはまた、パレスチナ当局およびイスラエル当局双方に対して、安保理による付託を支持し、ICCの介入を受け入れる措置を講じ、自ら裁判所に協力するよう要請する。
特にパレスチナ自治政府に対し、ICCが設立された2002年7月1日以降の国際法上の犯罪へのICCの管轄権を受諾するように求める。また、同政府がICCの設立を定めたローマ規程に加入することも要請する。
最近、パレスチナの高官がICCに参加する意思があることを表明した。
パレスチナ自治政府は、米国、イスラエル、カナダ、英国などのEU加盟国から、ICCの管轄権を認める手続きを取らないよう、常に圧力を受けてきた。その圧力には、パレスチナ自治政府が頼みとする財政援助を停止するという脅しもあった。
アムネスティはイスラエルに対しても、戦争犯罪と人道に対する罪の犠牲となった同国の人びとのために正義が必ず果たされるよう、ローマ規程に加入し、2002年7月以降の犯罪に対するICCの管轄権を受諾するよう要請する。イスラエルはICC設立に至る交渉には参加していたが、2002年、ローマ規程を批准しないと表明した。
今こそ、イスラエルはICCに対する反対の立場を再考し、法の支配に自らを委ね、不処罰に対する闘いに取り組むべき時なのだ。
アムネスティ国際ニュース
2014年8月1日
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