- 2014年2月22日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:中央アフリカ
- トピック:
1月末、首都バンギの北でイスラム教徒の施設を放火・略奪するキリスト教徒住民(C) Amnesty International
中央アフリカ共和国で、イスラム教徒住民に対するキリスト教徒民兵の残虐な襲撃が続いている。
国連平和維持部隊は、イスラム教徒住民を保護するために、キリスト教徒民兵の支配を崩し、十分な兵力を駐留させなければならない。
この数週間で、中央アフリカ北東部各地(ブアリ、ボヤリ、ボセンベレ、ボセンプテレ、バオロ)で、キリスト教徒の民兵集団「アンチ・バラカ」によるイスラム教徒への大規模な襲撃があった。
アムネスティはこの襲撃に関する100件以上の証言を被害者から得た。国連平和維持部隊はこの地域には展開しておらず、かつて台頭したイスラム教徒武装勢力が去った後の村の住民は、無防備な状態だった。
1月18日のボセンプテレでの襲撃は、特に残酷で、100人以上のイスラム教徒が殺害された。女性や70代半ばの導師を含む老人らも犠牲となった。
ほとんどのイスラム教徒住民は、襲撃から逃れるために町や村から脱出した。また一部の地域では、わずかに残った人びとが教会やモスクなどに避難した。
現在発生している憎悪と暴力は、2012年12月に始まった宗教対立による人道危機が直接の引き金であった。当時、「セレカ」を中心とするイスラム教徒武装勢力が武力行動を始め、その活動は2013年3月の権力奪取時に頂点に達していた。セレカは約10カ月の支配期間に虐殺、超法規的処刑、強かん、拷問、略奪など蛮行の数々を繰り返し、キリスト教住民の村を焼き払い、破壊した。
その後セレカらイスラム教徒武装集団は弱体化するが、撤退する時でさえもその残虐性を見せつけ、キリスト教徒住民とその財産への悪辣な襲撃は止まなかった。
セレカ撤退後、国連平和維持部隊は「アンチ・バラカ」による町や村の支配を容認した。その後に起きたイスラム教徒住民に対する残虐な暴力行為は起こるべくして起こった。
中央アフリカにおける宗教間の衝突に関して国際的な懸念が高まった結果、昨年12月に国連安保理事会で同国への平和維持部隊の派遣が承認された。平和維持部隊はアフリカ連合部隊5500人とフランス部隊1600人から成り、首都バンギとその北部や南西部のいくつかの町に配備された。
しかし部隊は、セレカの撤退で生じた権力の空白をアンチ・バラカが埋めることを許してきたし、襲撃を黙認する場合もあった。
事態の緊急性を考えれば、迅速な対応が求められている。今こそ、国連平和維持部隊は、ただちに危機にある地域に展開して、住民たちを保護し、村にとどまれるようにすべきである。
アムネスティ国際ニュース
2014年2月12日
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