- 2013年11月30日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:中央アフリカ
- トピック:
中央アフリカ共和国の首都バンギで警察の護衛を受けながら、暴力反対のデモをする人たち(C) PACOME PABANDJI/AFP/Getty Images
国連事務総長が、中央アフリカ共和国における平和維持活動について選択肢を提示した。それらの検討にあたっては、同国で次々と明らかになっている大規模な人的大惨事を十分考慮に入れなければならない。
同国の状況は日々悪化している。治安部隊や武装グループの隊員は、責任を全く問われることなく超法規的処刑、その他国際法に違反する殺人、女性や少女に対する強かんなどの蛮行を各地で繰り返してきた。
国際社会があまりにも長く同国の事態を無視し続けてきたため、状況は制御不能な危機状態に陥っている。こうしている間にも、人びとの命は失われている。最重要案件として同国に対する行動を取ることが必要だ。事態は一刻を争う。
アムネスティ・インターナショナルは、10月30日の報告書で、中央アフリカで起きている大規模な人権侵害や虐待を非難した。1週間後にアムネスティが公表した衛星画像から、虐待の衝撃的な惨状が明らかになった。何百もの家屋が焼失し、大量の国内避難民が生まれていたのである。
昨年12月にセレカと呼ばれる武装勢力連合が、ボジゼ大統領(当時)に対し攻撃を開始してから、治安状態は急速に悪化している。今年3月に権力を掌握して以来、セレカの兵士や反政府武装勢力による暴力は手に負えない状況に陥り、全土が今やほぼ無法地帯と化している。
さまざまな少数民族社会や宗教間の緊張・衝突も拡大している。ボジゼ元大統領と同じキリスト教徒が人口の大半を占める一方、ジョトディア現大統領や治安部隊員は、セレカの兵士と同じイスラム教徒で、北東部や隣接するチャドやスーダン出身である。
中央アフリカには、小型武器や軽火器があふれかえっているという現実がある。だから、2万人ほどのセレカ兵士や他の武装グループは、武器を容易に入手することができる。首都バンギでさえ、武装グループによる白昼の攻撃が増えている。セレカの兵士や治安部隊員による殺人が横行している。
アフリカ連合は今年7月、「中央アフリカの人びとの保護のために約3500人の兵士を配備する」と宣言した。10月末までに、この内の約2600人が配備された。すでに部隊を駐留させているフランスは、兵力の追加投入を表明している。
きわめて重要なことは、国連が、国際社会とりわけアフリカ連合、中部アフリカ諸国経済共同体、フランスなど国際社会の他の国々と連携することである。その上で、同国で法と秩序を確立するための具体的措置を緊急に取ることが肝要である。
中央アフリカの虐待に終止符を打つために、国際社会はすぐに行動を起こすべきである。世界の注目を浴びる理由が、まん延する殺戮であってはならない。
アムネスティ国際ニュース
2013年11月25
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