- 2013年6月17日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:トルコ
- トピック:
(C) Ahmet Şık/ NarPhotos
警察は、夜間を徹し政府に抗議をする大勢の人びとを拘束したが、拘束した事実について認めようしていない。
6月15日の夜、抗議行動の中心地であるタクシム広場やその周辺地に集結した人びとが拘束されたといわれている。実数は不明だが、100人を優に超えるという。
イスタンブール弁護士協会はアムネスティに対し、警察が拘束しているところを目撃されたおよそ70人の氏名は分かっているが、どこに連れて行かれたかは不明だ、と語った。
警察の暴力的な排除から一夜明け、当局は、拘束された人びとに、正当な法手続きを認めていない。警察はただちに彼らを釈放するか、拘束場所を明らかにし、家族や弁護士との連絡を認めるべきである。
アムネスティは、逮捕や拘束時に警察が抗議参加者を殴打しているという確かな報告を継続的に受けている。ほぼ3週間近く続いている抗議運動の間に拘束された人びとは、最長12時間にわたって食事や水を与えられず、トイレに行くことも許されなかったという。
拘禁場所が不明であるため、警察による暴行や虐待を受けている懸念も高まっている。
警察は16日午後8時半頃、タクシム広場で粛々と抗議する人びとに対して、催涙ガス、放水砲、スタングレネード(音響手榴弾)などで攻撃した。アムネスティの調査員も、この介入を現場で目撃した。調査員によると、広場にいた人々は平和的に行動しており、警察による暴力的な介入はまったく正当化できない。
現場にいたアムネスティ調査員によると、広場でスローガンを唱えている少数のグループがいた。警察は当初、彼らに広場を立ち去るよう警告したが、やがて、少なくとも2カ所から催涙ガス、放水砲、スタングレネード(音響手榴弾)で攻撃し、排除した。彼らは単にスローガンを唱えていただけだ。
また、警察がプラスチック弾を使用したこと、仮設診療施設で治療にあたる医師を拘束したという報告もある。
イスタンブールの複数地域で夜通し行われた警察の介入で、負傷数は、数百人にのぼると考えられる。警察は、医師が多くの負傷者の治療にあたっていたホテル前の仮設診療施設にも対しても、催涙ガスを直に打ち込んだ。
16日も、警察の暴力行為が複数の地域で散発的に続いている。警察は、タクシム広場に近いラマダ・ホテルに設けられた仮設診療所で治療していた医師を拘束した。 保健担当大臣は、仮設は違法であり、医師は起訴の対象となると述べていた。
治療を必要とする患者を診ていた医師を訴追するというこの発言は、到底受け入れられない。医師は直ちに釈放されるべきであり、起訴という脅迫を取り消すべきである。
エルドアン首相がアンカラで大規模な集会を開き、支持者を前に、ゲジ公園の抗議者を攻撃し強制的に排除すると脅した後、抗議行動は起こった。同様のエルドアン首相率いる集会が16日午後、イスタンブールでも計画された。抗議者たちは賛同する人びとに、タクシムへの行進を続けるよう求めている。
※アムネスティ日本支部は、6月17日、エルドアン首相と駐日トルコ大使宛に、要請書を提出しました。
アムネスティ国際ニュース
2013年6月16日
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