- 2012年11月 8日
- [公開書簡]
- 国・地域:日本
- トピック:取調べの可視化
法制審議会特別部会に、以下の通り要請します。
法制審議会「新時代の刑事司法制度特別部会」
部会長 本田勝彦 殿
取調べの全過程の録音・録画を求める要請書
法制審議会・新時代の刑事司法制度特別部会において取調べの録音・録画の法制化について議論が進められている中、私たち取調べの可視化を求める 市民団体連絡会は、全過程の録音・録画が早急に実現されるよう要請いたします。
足利事件や布川事件など冤罪事件の教訓として、取調べの全過程の録画が必要であるという考えは、日本社会の中ですでに浸透しつつあります。そうした中、検察および警察は、取調べの録音・録画の試行を進めていますが、全過程の録音・録画については未だに消極的な姿勢をみせています。
しかし、取調べの一部の録画では、被疑者がどのように供述したか、その過程を知ることができません。そのため、取調官による被疑者への威嚇、脅 迫や暴力的な行為、また取調官による誘導を監視し是正できないことは、これまでの冤罪事件の被害者の証言からも明らかです。
諸外国では取調べの「可視化」は全過程の録音・録画が大前提であり、捜査官自らが、違法な取調べを抑制し、虚偽の自白を防止するだけでなく、信用性の高い証拠が作成され、裁判における正確な事実認定に寄与する効果が見られたなど、その利点を挙げています。こうした諸外国の経験や技術は、 日本で全過程の録音・録画を義務化するにあたり、大いに参考になると考えます。
取調べの録音・録画の法制化の方向性を示すにあたり、法制審議会は、違法な取調べを適正化し、取調べを受けるすべての人の権利を保障することを 第一の目的とし、全過程の録音・録画が基本であることを明確に打ち出すべきです。
また、取調べの全過程の録音・録画の法整備に加え、代用監獄制度の廃止、証拠の全面開示など、国際的な条約機関から繰り返し勧告されている点に ついても、国際人権基準に沿った改革の方向性を示すよう、あわせて要請いたします。
取調べの可視化を求める市民団体連絡会
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呼びかけ団体
アムネスティ・インターナショナル日本/監獄人権センター/日本国民救援会/ヒューマンライツ・ナウ
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構成団体
国際人権活動日本委員会/志布志の住民の人権を考える会/社団法人自由人権協会/人権と報道・連絡会/菅家さんを支える会・栃木/富山(氷見)冤罪国賠を支える会/フォーラム平和・人権・環境/名張毒ぶどう酒事件全国ネットワーク/袴田巖さんの再審を求める会/袴田巌さんを救 援する清水・静岡市民の会/「冤罪・布川事件の国家賠償請求訴訟を支援する会」/無実のゴビンダさんを支える会/無実の死刑囚・袴田巌さんを救う会
この要請書は、以下にも複写をお送りしています。
滝 実 法務大臣
2012年11月7日
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