- 2012年11月 8日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:スロバキア
- トピック:子どもの権利
アムネスティは2006年以来、スロバキアのロマ分離教育の現状を記録してきた。(c)AI
スロバキア裁判所が、「学校におけるロマの差別は違法である」とする、歴史的な判決をくだした。これは、「民族の違いで生徒を分離する教育は容認しない」という、政府にむけた強い警告である。
スロバキア東部、プレショフの地方裁判所は10月31日、「サリスケ・ミカラニ村の小学校が、ロマの生徒を別のクラスで分離教育しているのは違法である」という判決をくだした。これは、最終判決だ。
NGO「市民と人権のためのセンター」が2010年、同校の分離教育に対する異議を申し立てていた。
■差別されるロマの子どもたち
このたびの画期的な判決は、分離教育という差別は平等の権利を侵害しており、差別撤廃はスロバキアの世界に対する義務であることを、文部省ほか当局に明確に示したものである。
アムネスティは2006年以来、教育現場でのロマ差別の実態を記録し、そこでスロバキア全土で何千人もの生徒が影響を受けていることを明らかにしてきた。
差別にはさまざまな形態がある。サリスケ・ミカラニのように、ロマの子どもたちだけが別の教室に入れられている場合もある。また、特別な学校や学級に隔離されていることもある。そこでは、教育の質は劣る。
サリスケ・ミカラニの事態は、スロバキアでは例外ではない。アムネスティはロマの親たちと、プレショフ東部レボチャの町にある小学校の分離クラスに反対する運動を行った。このクラスは、ロマではない親たちの圧力に学校側が屈して作ったものだった。
学校は今年度、数人の生徒を混合クラスに移動させたが、依然としてロマだけのクラスは残っている。
アムネスティ日本
2012年11月8日
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