- 2012年11月 7日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:中国
- トピック:危機にある個人
天安門広場をガードする、当局の警察官(C)AI
中央政権の交代を目前に控え、中国当局が反対派への弾圧を強化している。
11月8日から北京で開催される第18回共産党大会を前に、政府は批判を封じ、抗議行動を防止する目的で、ここ数週間のあいだに100名以上の活動家を検挙した。
政治的駆け引きをめぐって緊迫する党大会。それもそのはずで、10年に1回という首脳部交替劇の幕開けとなる大会なのである。
新世代の指導部が実権を握る準備を進めているが、アムネスティが見るところでは、人権状況を平和的な手段で変えようとする勇気ある人びとへの抑圧体制には、何の変化もないようだ。
■「黒監獄」、インターネットの検閲
9月以来、少なくとも130名の人びとが拘束され、もしくは自由を制限されている。
警察により、何十人もの活動家が自宅軟禁下に置かれ、多くの人が北京から強制退去させられ、平和的な抗議行動を抑圧する目的で地域団体の事務所などが閉鎖された。
大勢の活動家が、各地に点在する「黒監獄」に囚われているようだ。黒監獄とは、非公式、非合法の秘密の拘禁施設である。ホテル、ホステル、建物の地下、農村の集会所などはいずれも黒監獄として使われたという情報もある。
11月7日からはインターネットへのアクセスにさらに制限が加えられ、当局による表現の自由の制限はいっそう厳しくなる見通しである。
中国情報技術部は、党大会の期間中、封網(「ブロックする」の意)と呼ばれる「ネットワーク封印」措置が必要だと言明した。
こうした措置は、2010年に劉暁波がノーベル平和賞を受賞したとき、そして2008年の北京オリンピック期間中にも、批判的言表を検閲するために用いられた。
退任予定の温家宝首相の家族が莫大な資産を所持しているという、スキャンダルめいた記事が先週ニューヨークタイムズに掲載されたが、中国の人びとはインターネットでこの情報にアクセスすることはできなかった。
■自由を奪われる活動家たち
また、交通網への規制も強化される見通しだが、これは北京、チベット、新疆ウイグル自治区など、抗議行動が予想される地域に活動家が出かけるのを制限するためである。
11月これらの地域に列車で出かける人はすべて、切符を買うときに氏名を登録しなければならない。
人権擁護を訴えるいくつもの組織が、当局の脅しを受け、今月活動停止に追い込まれた。
北京愛知行健康教育研究所広州支部の職員は、活動を続ければ「重大な結果」を招くと警察から脅しがかけられたようで、研究所は現在門戸を閉じている。この研究所は出稼ぎ労働者や少数民族に主として健康面の助言を行っている団体である。
中国当局は活動家に対するこのような迫害政策を停止するべきである。表現の自由を行使しただけで拘束された人びとは、すべて直ちに解放しなければならなない。人権の尊重は、次期政権指導者にとって真にその強さを示す好機となるはずだ。
アムネスティ国際ニュース
11月7日
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