- 2012年10月31日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:アフガニスタン
- トピック:難民と移民
昨年、難民キャンプの100人以上が寒さや病気で命を落とした。(C)AI
多くの子どもたちが亡くなった昨年の悲劇を繰り返さないために、直ちにしかるべき対策をとらなければならない。アムネスティ・インターナショナルやノルウェー難民委員会など30のNGO連合は、国連、アフガニスタン政府、国際寄付団体に宛てた公開書簡の中で、このように述べた。
アフガニスタンでは、昨年から今年にかけての冬の寒さは一段と厳しく、難民キャンプの100人以上が寒さや病気で命を落とした。その大多数は、子どもたちだった。
NGO連合は、何十万もの国内難民の命を救うためには、直ちに冬季援助キャンペーンを立ちあげなければならないと訴えた。
昨年の悲劇は、事前の支援がされていれば避けられた。冬が来る前に緊急支援をしなければ、同じ事態になるという手厳しい警告と取るべきだ。
アフガニスタンと国際社会は、これらの難民キャンプの人命を保護するために対策を講じることが国際法で定められた義務だということを忘れてはならない。
同国の紛争と治安が悪化する中で、国連難民高等弁務官事務所によれば、国内難民は50万人に達する。実数はさらに多いものと推測される。
アフガニスタン政府は、昨年の非常事態の後、評価に値する国内難民政策を作成しつつあり、その政策を最終決定し、履行するための国際的な支援を要請している。
確かに、新しい国内難民政策を立案には、難民の脆弱な環境が抱える課題に政府が積極的に取り組もうとする姿勢がうかがえる。しかし、政策の企画には時間がかかるし、実施には資金が必要だ。今、必要なのは緊急の行動なのだ。
NGO連合は、アフガニスタンの難民・帰還省の2011年度予算はたった6百万米ドルで、最も基本的な援助と保護の要求に応えることさえもできなかった、と指摘している。しかも、アフガニスタンのための国際的人道支援アピールは、34%しか資金が集まらなかったし、緊急対応基金も激減してしまった。
国際部隊の撤退と権限移行にともなう政治的、治安的、社会的、経済的影響に対する人びとの不安は、短期間に治安状態が改善されないなら、さらに拡大するだろう。
移行が速くなるにつれ、国内難民の保護は、緊急の課題として対応すべきだ。
アムネスティ国際配信ニュース
2012年10月19日
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