- 2011年1月 1日
- 国・地域:中国
- トピック:先住民族/少数民族
伝えられるところによると、ハダの妻シンナ(Xinna)と息子ウィレス(Uiles)は、少なくとも10日間にわたり内モンゴル公安省によってどこかに拘留されている。ハダも、少なくとも12月10日から家族とともに抑留されているとみられている。
「中国初のノーベル平和賞受賞者である劉暁波に世界が注目している間に、中国は活動家とその家族を強制失踪させ、目を向けさせないようにしているのです」とアムネスティのアジア太平洋部のキャサリン・バーバー副部長は述べた。
多くのモンゴル民族のように一語の名前を持つハダは、南モンゴル民主連盟に関わったことが原因で「国家分裂扇動」および「スパイ活動」の罪で課された15年の刑期を終え、2010年12月10日に釈放される予定であった。アムネスティは彼を良心の囚人とみなしている。
彼の妻のシンナと息子のウィレス は、中国当局によって12月4日に身柄を拘束され、家族で経営していた本屋は家宅捜索を受けた。公安省は親戚に対し、シンナは違法経営の容疑で拘留、またウィレスは麻薬取引の罪に問われている、と述べた。
当局はウィレスに対し、両親と「明確に一線を画し」、分離主義活動には関わらないよう強く求めた。彼は同日に釈放されたものの、12月5日に再び拘束された。
南モンゴル人権情報センターによると、ハダの義理の妹のナラー(Naraa)は、行方不明中の家族3人が一緒に食事をとっている写真が収められた無記名のCDを受け取っている。写真の日付は12月10日だった。
ナラーは12月14日に公安省に呼び出され、行方不明中の3名の親戚は5つ星ホテルに滞在していると告げられた、と伝えられている。しかし彼らがどのホテルにいるのか、またいつまで拘留されるのかは明らかにされなかった。
「中国当局は、ただちにハダと彼の妻子の現在の状況と所在を明らかにする必要があります。当局にとって厄介な、あるいは都合が悪い人びとを隠すようなことは断じて行なってはならないのです」とキャサリン・バーバーは述べた。
ハダは内モンゴル自治区のウランハドにある赤峰刑務所で服役していた。2004年に赤峰刑務所を出所した受刑者が語ったところによると、ハダはそこで日常的に虐待を受け、独房監禁や金属製の「拘束台」に鎖で繋がれるなどの懲戒処分を受けていた。
当局は11月、作家兼活動家であるホーチンフ(Huuchinhuu)を自宅に違法に軟禁した。彼女は、ハダが釈放され次第パーティを行なう計画をしていた。
ハダは、1995年に逮捕されるまでフフホトにあるモンゴル学書社の店長をしており、人権やモンゴル文化および「(中国の)憲法で保証されているように、中国の少数民族に対する高度な自治」の促進を目的とした南モンゴル民主連盟に関与していた。
アムネスティ発表国際ニュース
2010年12月15日
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