日本:アムネスティは、「慰安婦」への正義を求める国際署名を支持する

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2010年11月25日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:日本
トピック:女性の権利
アムネスティ・インターナショナルは、「女性に対する暴力撤廃国際デー」にあたり、日本の活動家たちとともに、日本政府に対し、旧日本軍性奴隷制のサバイバーに正義を実現するよう要請する。

11月25日、韓国や日本、フィリピン、その他の国々の約62万人による署名が首相官邸に提出された。この署名は、日本政府に対し、「慰安婦」問題への包括的な解決をめざす法案を一刻も早く立法し、成立させることを求めている。アムネスティはこの要請を強く支持する。

5月、ナヴァヌセム・ピレイ国連人権高等弁務官が訪日し、鳩山由紀夫元首相と会談した。その際に彼女は、独立した人権機関を創設や個人通報制度の批准を含む、人権改革に取り組むようにと日本政府に促した。彼女はとくに「慰安婦」問題を取り上げ、サバイバーの女性たちが望む形での解決が必要であると述べた。

また5月に、女性に対する暴力に関する国連特別報告者ラシダ・マンジョーは、性犯罪の被害者としてサバイバーたちが「公式謝罪および国家責任を政府が公式に認めることなしに、経済的補償を受けようとは思っていない」という事実に言及している。報告者は、「慰安婦」たちの運動について、最もよく組織されかつ十分に立証されている、女性のための賠償をめざす運動の一つであると評価している。また、こうした女性に対する正義の実現を求める勧告は、自由権規約委員会や拷問等禁止委員会、女性差別撤廃委員会など、さまざまな国連人権機関からも出されている。さらに同様の勧告は、国連の普遍的定期審査の場において複数の国連加盟国からもなされている。

1932年頃から第二次世界大戦終結まで、旧日本軍によってアジア太平洋地域の女性たちが性奴隷とされた。サバイバーたちは50年以上もの間、自らの苦難を語れなかった。彼女らの正義の実現が否定され続けていることによって、サバイバーの屈辱と苦しみが今も続いている。アムネスティは、この正義の否定について、重大な人権侵害であると考える。

アムネスティは、2008年以降、日本の36の市町村議会が「慰安婦」制度に対する全面的な謝罪を中央政府に求める意見書を可決していることに注目している。地方政府によるこれらの意見書の採択は、国際的に、米国やカナダ、オランダ、韓国、台湾、そして27カ国で構成される欧州議会などで一連の議決がなされたことに続くものである。

アムネスティは、以下のことを要請する。

・国会は、サバイバーに対して明確かつ全面的に謝罪すること。これには、「慰安婦」問題に関する法的責任を認めること、「慰安婦」制度が国際法上の犯罪であることを認めること、そして、サバイバーの大多数に受け入れられる方法で彼女たちが受けた苦痛を認めることが含まれる。

・日本政府および国会は、日本の法廷で全面的な賠償を得るための障害となっているものを取り除くという観点から、国内法の見直しを行うこと。そして、日本の教科書に性奴隷制についての正確な記述を盛り込むこと。

・政府は、性奴隷制のすべてのサバイバーに全面的な賠償を行うために、実効的な行政施策をただちに機能させること。

アムネスティ・インターナショナル 声明
2010年11月25日