- 2010年4月 6日
- [日本支部声明]
- 国・地域:中国
- トピック:死刑廃止
アムネスティ・インターナショナル日本は、今回の執行を含め、中国政府が行ってきたすべての死刑の執行に対し、強く抗議する。中国政府に対し、8日に予定されているという武田輝夫さん、鵜飼博徳さん、森勝男さんに対する死刑の執行を停止すること、そしてすべての死刑の執行を直ちに停止するよう求める。
アムネスティは、中国の死刑制度について、秘密主義による透明性の欠如、政府の厳格な対応を誇示するための恣意的な死刑執行、死刑適用犯罪が広範囲に渡ること、国際基準に沿った公正な裁判がまったく行われていないことなど、多くの深刻な問題があると考えている。
こうした状況は、自由権規約や中国が批准している拷問等禁止条約などの国際人権基準に明確に違反している。さらに、2007年および2008年に、国連で100カ国以上の圧倒的多数で採択された、全世界的な死刑の執行停止を求める総会決議にも反している。
アムネスティは、中国政府に対し、全世界的な死刑の執行停止を求める国連総会決議に基づき、すべての死刑の執行を直ちに停止するよう求める。そして、死刑廃止に向けた一歩として、国際人権基準にそった刑事司法制度の改革に取り組むよう要請する。
またアムネスティは、日本政府に対し、国際人権諸条約の遵守を誓約している国連人権理事会の理事国として、中国政府に対して、今回の執行に対する抗議と死刑問題に関する懸念を明確に表明すること、および8日に予定されている死刑執行の停止を求めて、あらゆる外交的努力を尽くすよう、強く要請する。
2010年4月6日
社団法人アムネスティ・インターナショナル日本
背景
アムネスティは、あらゆる死刑に例外なく反対する。死刑は、生きる権利の侵害であり、究極的な意味において残虐で非人道的かつ品位を傷つける刑罰である。
アムネスティは、日本政府に対しても、死刑の執行を公式に停止し、死刑廃止を視野に入れた公的な議論を開始するよう求めている。
2010年現在、世界の約7割の国ぐにが、死刑という刑罰を拒否し、法律上あるいは事実上の死刑廃止に踏み切っている。アジア地域においても、フィリピンやカンボジア、韓国など27 カ国が死刑を法律上、または事実上廃止している。インドや台湾でもここ数年間、死刑の執行が行われていない。モンゴルでは今年1月、エルベグドリ大統領が死刑の執行停止を正式に宣言している。
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