- 2009年12月 2日
- 国・地域:ペルー
- トピック:先住民族/少数民族
すでに進行中の、この事件の最中に起きた警官23人の殺害の調査と並行し、10人の先住民族および地元住民の死について、十分な調査をするようアムネスティは要請した。
6月5日、ペルー北部のバグアに近い道路で、土地および資源の使用をめぐる数千人の平和的な抗議行動を阻止するために警察が介入し、少なくとも200人が負傷している。
「これらの重大な人権侵害の加害者と疑われる者すべてを裁判にかけ、すべての被害者に賠償するための措置を取らなければならない」と、アムネスティ・インターナショナルのアメリカ部副部長グアダルーペ・マレンゴは述べた。
数千人もの先住民族の人びとが、彼らの暮らしにとって脅威になると主張する新法に抗議して、50日間以上に渡って平和的に道路を封鎖していた。
多くの抗議封鎖参加者が警官の殺害に関連して拘禁され、起訴されたが、抗議封鎖参加者の殺害や負傷に関与した容疑で起訴された者はこれまでのところ誰もいないことを、報告書は明らかにしている。
さらに、先住民族指導者たちは、当局による脅迫と嫌がらせに直面している。
「先住民族指導者たちへの嫌がらせと脅迫を止めさせなければならない。そして、先住民族の土地および資源に関する権利に影響する恐れのあるあらゆる決定に関して、事前に十分な説明を受けた上で、自由に合意できるという彼らの権利は守られなければならない」と、グアダルーペ・マレンゴは述べた。
調査期間中に、アムネスティは目撃者や殺害された人びとの親族から話を聞き、新たに暴力の発生についての詳細が明らかになった。
アムネスティが面談したうちの1人に、ビオレッタ・ピイツグ・ワムプッシュという未亡人がいる。夫のフェリペ・サビオ・セザール・サンチェスは、ワワスという小さな先住民族コミュニティの指導者で、地元ラジオ局のレポーターであった。
彼女の夫は、バグアの病院から出るところを射殺された。その日に殺害されたり負傷したりした先住民族の人びとに関して報告するため、病院に行っていたところだった。
「(6月5日に死亡した)警官たちが、国に奉仕する者として認められているように、夫もそうみなされてしかるべきです。…夫は、アマゾン地域を守ろうとして殺されたのです」と、彼女はアムネスティに話した。
死亡した23人の警官のうち11人は、先住民族の抗議封鎖参加者によって人質となっていた際に殺害され、1人はいまだ行方不明のままである。
6月5日に殺害された警官の1人であるミゲル・アントン・モンテネグロ・カスティーリョ指揮官の妻、フロル・デ・マリア・バスケスは、警察はなぜ、警官隊を助けるためにさらに援軍を送らなかったのか、という疑問に対する答えを今も待ち続けている。
「こういう事態は、あらかじめ避けられたでしょう。彼らを救出することができたでしょうし、命を失わずにすんだでしょうに。どうして援軍が出動しなかったのでしょう? 警察はその説明をしてくれないのです」。アムネスティ・インターナショナルに対し彼女はそのように話した。
背景:
2009年7月、アムネスティ・インターナショナルは、バグアおよびバグア・グランデの町と道路封鎖や抗議行動に参加した先住民族コミュニティのいくつかを訪問した。
アムネスティは、殺害された抗議行動参加者や警官の親族、拘禁された者、目撃者、さらに先住民族およびコミュニティの指導者に聞き取り調査をした。
ペルー報告書:「バグア、6カ月を経てなお『考えや言葉が違うだけで、彼らはこの不正義を私たちに押しつけている』」は、以下から閲覧できる。
http://www.amnesty.org/en/library/info/AMR46/017/2009/en
アムネスティ発表国際ニュース
2009年12月2日
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